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今日も幸せレイリタ日和。
2025/04/21 (Mon)12:07
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2010/04/24 (Sat)19:10
怒涛の4月が一段落して……ない……ですがorz とりあえず今日は休みを享受できました。

という訳で、匿名様リクエストの「じれったいレイリタ」です。
きっとじれったいはずです……!!

ただし、メタ発言(!!)が普通に文章の中に組み込まれていますのでお気を付け下さい(汗)。

ちなみに両者自覚前です^^

ある昼食の風景


 パクリと食べれば、口内に広がる激甘の生クリーム。更にはそれが塗りたくられたスポンジも、単体だけで十分なほど砂糖が混ぜ込まれていて、癒しの手段であるはずなのに甘味嫌いの自分にとっては苦行以外の何物でもない。
 そう、昼下がりといえどもこの食事は昼食のデザートでも、ましてやティータイムなどでもなく、れっきとした回復行為。
「お、おっさん珍しいな。おとなしく甘いもん食ってるなんて」
 甘いケーキを口に入れる度苦い顔をしているレイヴンの肩に腕を乗せ、ユーリがそんな声をかけてきた。
 対するレイヴンはなるべく咀嚼を控えつつそのショートケーキの欠片を飲み込み、力なく苦笑しながら答える。
「いやー、今おっさんTPぴすぴすだからさ。この後みんなの足引っ張る訳にもいかんからね」
 そんな2人の会話に、何となく耳を傾けている少女が1人。
(そう言えば、さっきの戦闘……)
 思い当たったのは、午前中に大量の魔物を相手にした時のこと。

 自分の周囲に展開する上級魔術を敵に当てるためやや前方に出て詠唱を行っていたところ、背後に迫っていた魔物に気付かないでいた。

「天誅っ!!」

 側方から響いたレイヴンの声、それに遅れて何かが肉に突き刺さる音と魔物の悲鳴。慌てて振り向けば頭部に矢が数本刺さった状態で、エッグベアが倒れていく。
 ただ、ある程度接近してしまっていたリーチの長いその爪が掠めるのは、それだけでは防ぎきれなかった。
「つっ!」
 肩から背中にかけて痛みが走る。が、爪の先が掠っただけで肉までは達していない。大した傷ではないと判断し、そのまま詠唱を完成させて前方の魔物に炎を放った。
 魔術が、ユーリ達に迫ろうとしていた魔物たちを飲み込む。
 それから一旦臨戦態勢を解き、自分のアイテム袋からグミを取り出そうとした時――

「愛してるぜぇ!」

 力が抜けるようなお馴染みの台詞がまたもやレイヴンの方から飛んできた。いや、飛んできたのは声だけではなく、注射器の形に収束した青白い光。
 それがリタの傷口に触れた途端、痛みと出血が瞬時に消える。
「っあ、あり――!!」
 礼を言おうとして振り向くが、レイヴンは既に他の魔物を相手にするべくこちらに背中を向けてしまっていた。
(……ま、まあ余計なお世話だったし……別に、いっか……)
 戦闘中ならよくあると言えばよくある流れだ。リタもレイヴンもそんな場合ではないし、改まってレイヴンに礼を言うのも何だかこそばゆくて、その場では何の礼も言わずに戦闘が終わってしまった。
 そのまま、現在に至る。

(ひょっとして、アレで使い切っちゃった……とか……?)
 今になって、あの時のレイヴンは既に多くのTPを消費していたためか術技の使用を控えており、その後もずっと術技を使っていなかったことを思い出す。
 生憎、現在グミはアップルグミとレモングミしかなく、彼のように甘味を食する以外にはTPの回復方法がない。

(……おっさんが食べてるんだし、あたしも食べよっかな……)

 もはや涙目になりながら最後の一塊を口に押し込んでいるレイヴンから、リタは目の前に置かれている皿に視線を移す。
 それに盛りつけられているのは、レイヴンが作った刺身。
 物理防御力を強化してくれるのはいいものの、どうも生魚は苦手である。が、
(おっさんがTP使っちゃった原因、あたしにもあるし……)
 今日ばかりは、はねのける気になれなかった。
 別にレイヴンが
 野菜炒めを食べ終えて一旦置いていた箸をもう一度持ち、その更に腕を伸ばす――その時、

「口直しにこのお刺身貰うわよリタっち、どうせ残すんでしょ?」

 何とかケーキを嚥下したレイヴンが彼女より早く箸を伸ばしてきて、ごっそりとつまみ上げそのまま食べてしまった。

「………………!!」

 箸を伸ばしたまま、リタは呆然と皿を、そしてレイヴンを見つめる。
「あー、生き返るわー……ってリタっち、どうかした?」
 一気に表情が明るくなったレイヴンは、そんなリタに首をかしげて見せる、と

「ファイヤーボォォォォォォォォル!!」
「ぎゃーーーーーー!!」

 次の瞬間、少女の火炎魔術が炸裂する。
「ふんっ!」
 彼女はそのまま身を翻して、荒々しく地面を踏みつけながら去って行ってしまった。
「???」
 状況が飲み込めるはずもない黒焦げのレイヴンは、とりあえずユーリを見る。
「いつもは押し付けてくるのに……」
「………………」
 疑問符(と涙)を浮かべながらこちらを振り向いてくる中年と、どしどしと足を踏み鳴らしながら遠ざかっていく少女を見ながら、ユーリは深い深いため息をついた。

「このヘタレどもが……」














何となくおっさんへの意識が強くなったリタっち(無自覚)と、それとなくリタっちが嫌がるものを片付けてあげるおっさん(本人はただの親切のつもり)と、全てを見透かしているユーリ君。

匿名様リクエストありがとうございました!
こんなんでよければお持ち帰りください!!

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