読んで字のごとくフリーですので、持ち帰ってサイトで晒すなり個人的にm9(^Д^)プギャーするなりご自由にどうぞ♪
もちろん報告なんかも不要ですよー。
それでは続きからどうぞー☆
(一応ED後です。)
俺だけの君でいて
「リタっちぃ~」
「何よ」
「リタっちリタっち~」
「だから何よ」
「呼んでみただけー」
「はぁ?」
思いっきし不機嫌な顔して振り向いてくる可愛い恋人。それでもこんな馬鹿なおっさんに視線を向けてくれてくれたのがただ嬉しくてヘラリと笑ってみせると、彼女は慌てたように読んでいた本に視線を戻した。
「バ、バカっぽい……邪魔しないでよね、誰の為にこの本読んでると思ってんのよ」
リタっちが今読んでるのはヘルメスが残したという魔導書。魔導器を捨てた今尚そんなものを読んでいるのは、俺の胸に一つだけそれが残っているから。
俺の寿命を少しでも伸ばす為に一生懸命研究してくれてるリタっちを見てると、まるで彼女を独り占めしてるような気になる。まあ、付き合ってる訳だから確かに色々と独り占めてはいるけど。
それにしても照れちゃって可愛いわね、ほらほら耳赤いよ。
「リタっち」
堪らずに後ろから抱きしめて、その温もりを確かめる。びくりと跳ねた身体の熱が急上昇して、耳や頬が更に紅くなっていくのが分かった。
一昔前ならぶん殴られていたけど、今はよっぽど機嫌が悪くない限りそのままでいてくれる。
「リタっちあったかーい、も少しこのままでていい?」
「す、好きにすれば? ……あ、か、勘違いしないでよね! あたしもこうしてたらぬくいから許してあげてるだけだからね!!」
そう言って俺に背中を預けてくるリタっちに、思わず顔が更ににやける。甘えたがりのおっさんに観念したって言うのもあるだろうけど、ホントはリタっちも嬉しいってことぐらい分かってるのよ。
こんな彼女とずっと、ずっと一緒にいたい――そう思う俺はやっぱりベタ惚れなんだなと、今更ながら実感する。
……分かってる、そんなことは無理だってことぐらい。
心臓のことはリタっちが何とかしようとしてくれてるけど、それも限界がある。おまけに20という年齢差はいくら天才魔導少女でもどうしようもない。
きっと俺はこの子よりずっと早く、先に逝ってしまうんだろう。
だから今の内に、彼女を感じていたい。彼女に俺を感じていてもらいたい。いつか俺がいなくなっても、忘れてしまわないように……。意味なく呼んだり、抱きしめたりするのはそのせいだ。我ながら女々しい。
てゆーか死んだ後までリタっちの心拘束しようとか、どんだけ独占欲強いのよ俺。
「リタっち」
「な、何?」
懲りずにも一度名前を呼ぶと、それでも反応してくれるリタっち。頬を染めて、大きな翠の瞳をこちらに向けて――前言撤回、こんな可愛い子独占したくなって当然よ、うん。
「おっさんがいなくなっても、おっさんのリタっちでいてね」
俺の言葉に、リタっちは驚いたように目を見開いて――
「ていっ」
「あだ!」
本の角を俺の脳天に落として来た。
「リタっち! いきなり何すんの!!」
頭を押さえながら涙目でリタっちを見ると、本を握ったままの彼女はますます不機嫌そうな顔。あー……怒ってらっしゃる?
この子は俺が死んだらとかそういう話を嫌がる。……いや、まあ恋人の死ぬ話なんて好んでする奴なんていないと思うけど。
それでもどうしてもしちゃうのよね、俺とそういう関係になるってことは、やっぱりその問題もくっついてくる訳だし。
「言い直しなさい」
でも口で追撃されるかと思ってたら、リタっちは至って冷静な口調。
「はえ?」
「おっさんがいなくなっても、じゃないわ。ずっと、一生、永遠に……そう訂正してくんなきゃ、うなずいてなんかやらない」
きっと今の俺は、ポカンとアホ面下げていることだろう。だってリタっち、それって、つまり――
「あともう一つ――」
そして勢いよく俺の襟を掴み、引き寄せる男気溢れるリタっち。
「あんたはちゃんと……ずっとあたしのおっさんでいてくれるんでしょ?」
ああ、翠の瞳が揺れている。そこに映っているのは俺――そう、俺だけ。
……はは、敵わんね。
「じゃ、それで」
苦笑しながら手を伸ばして頬に触れると、もはや真っ赤なそこはすんごく熱くて、思わず声をあげて笑ってしまいそうになる。
「何が『じゃ、それで』よ。ちゃんと言い直しなさいよ」
「あら? おっさんの甘い愛の囁き、そんなに聞きたいの?」
たった二言で済まそうとした俺を睨みつけて来るリタっちに意地悪くそう尋ねてやる。
「な……っ!!」
怯んだリタっちの手が緩んだ隙に、すかさずこちらからその腕を引っ張り、正面から彼女を抱きとめる。こういう狡賢さなら、やっぱり俺の方がまだまだ上手だわね。
「……ずっと、一生、永遠に、俺だけのリタでいて。
俺も、ずっとリタだけの俺でいるから」
丁度口元に来た彼女の真っ赤な耳にそう囁く。
「……バカっぽい」
「あれー? 訂正したらうなずいてくれるんじゃなかったの?」
「っ!!」
そのまま黙りこんでしまったリタっちの顔を覗きこむと、瞳を潤ませながら俺を睨み返してくる。
でも……それでも少女は確かに、こくんと、うなずいた。
そして見事に俺の頬が、限界値まで緩む。ついでに理性も。
「愛してるぜ、リタ」
そう囁いて、彼女が言葉を返してくる前に唇を奪った。まあリタっちのことだから素直な答えを返してくれるとも思えんしね。
ただ流石に唐突過ぎたかなと思って薄目を開けてリタっちを見ると、彼女は既に目を閉じていて、更に俺の首に腕をまわして来るもんだから、彼女も俺を求めてくれてるんだと都合よく解釈することにした。
――やっぱ俺、この子残して死ねないわ。
そんな健気なリタっちを見てると、そう思わずにはいられなかった。
細い身体を強く抱きしめる。忘れさせないためじゃなくて、ずっと傍にいると誓うために。
……だってその方が、本当にずっと独り占めできるもんね。
どうやら管理人はギュッとするレイリタが大好きみたいです(^q^)
1万HITありがとうございました!!
これからもよろしくお願いしますm(_ _)m
ぽちっとお願いしますm(_ _)m