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今日も幸せレイリタ日和。
2025/04/21 (Mon)09:56
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2011/02/10 (Thu)00:17
現パロの続き投下です。

遂に奴らの出番です、はい。



……えーと、キャラ崩壊とオリジナル設定が酷いので注意書きをしておきます。
ただ、些細ではありますが展開のネタバレにもなってしまうので反転という形にさせて頂きます。

「心の準備がしたい!」という方は以下の注意書きをお読みください。
「何が出てきても驚かない!」という方はスルーして続きからどうぞ。


※注意

・キャナリとイエガーが結婚してます。

・しかも子供がいます。

・キャナリの性格が若干捏造気味です。

・イエガーの口調が完全に捏造です。

・まいたけが出ます。



以上を了承できた方は続きからどうぞ。


Heartful Life ♯15:招かれざる客人達


 リタがこの家に来てから、2度目の日曜日。
 3人で朝食を食べ終え、レイヴンが食器を洗いリタもその手伝い。
 1人手持ち無沙汰のシュヴァーンは、せっかくの日曜なのだから何かイベントでも提案すべきなのだろうか、と密かに思いながら新聞を読んでいた。

 ピンポーン

 玄関のチャイムが鳴り、3人とも一斉に顔を上げる。
「お客さんかしら?」
「さあな、とりあえず俺が出る」
 新聞をたたみ、立ち上がるシュヴァーン。そして廊下を進み、玄関のドアに手をかけ――

 ガチャ

「グッモーニン、ドクターシュヴァーン」

 バタン

 目の前にいた人物を確認すると同時に、閉めた。
 そのまま鍵をかけようとする……が、それよりも早く、今度は外側からドアが開けられる。
「いきなり失礼なミスターですねー。折角のモーニングが台無しでーす。レッツスマイルスマイル」
「帰れ。あとその喋り方やめろ」
 30センチほどのドアの隙間から顔を覗かせたその男は、口を尖らせながらもどちらかというとシュヴァーンをからかっているようである。
 あからさまに嫌な顔をしたシュヴァーンはもう一度ドアを閉めようと手に力を入れ直す――前に、新たな外からの力により完全にドアが開け放された。
「そんなこと言わないで、私達も日曜返上でせっかく来たんだから」
 それによって、目視できるようになったもう1人の人物……いや、声の主が子どもを抱いている為2人と言った方が適切か。
「……何しに来た……?」
 この状況と彼女の笑顔に何か冷たいものを感じながら、シュヴァーンは呻くように尋ねる。だいたい、この2人がいきなり尋ねて来る時は大抵碌なことがない。

「もちろん、君達の可愛いプリンセスの様子を見に来た訳だけど?」

 悲しいことに嫌な予感は的中し、シュヴァーンはドアを押えるのも忘れて頭を抱えた。

 

「レーイーヴーンー……?」
 恨めしげな呻き声を上げながら、シュヴァーンは弟の胸倉をつかむ。
「い、いやぁだって……あの2人聞きだすの上手いからさ……」
 だらだらと汗を流しているレイヴンの笑顔は、引きつっている。
 2人がいる部屋の中には他に、ダイニングテーブルに緊張した面持ちで座っているリタ、そしてリビングのソファに並んで座った先ほどの男女と、女に抱かれて眠っている幼児。
「だってレイヴン、今まで勤務時間終わっても鼻の下伸ばして看護師と話してたのに最近やけに帰るのが早いし、同僚が女の子用の服大量に買い込んでるの見かけたって言ってたから……同期のよしみとして放っとく訳にはいかないだろ?」
 険呑な雰囲気が漂う双子とは対照的に、こちらはのんびりとした雰囲気のまま、にこにこと2人……とリタを見つめている。
「ほぉう……で、こいつは何と説明したんだ……?」
 おどろおどろしい声でシュヴァーンが尋ねると、女の方がまたにっこりと笑って答える。

「姪が遊びに来てるんですって」
「こんの愚弟がァァァ!!」
「ぎゃー兄貴! 死ぬぅ! 死ぬって!!」

 きつく胸倉を掴まれたままガクガクと揺さぶられ始めたレイヴンが悲鳴を上げる。
「……まあ、相変わらず仲がいいのは結構だけれど……」
 しかしすぐに、女の声で2人は静まり返る。
「せっかくだから、紹介してもらってもいいかしら?」
 笑顔のまま彼女が目で示したのは、言うまでもなくリタ。
「………………!」
『……あー……』
 リタは一瞬びくりと身体を強張らせるが、すぐにシュヴァーンはレイヴンを解放し2人で安心させるように彼女の傍に立つ。
「えー……と、紹介しよう、この娘はリタだ。……訳あってその……家で預かっている……」
「んでリタっち、あの2人は俺達の大学の時の同期で、今はおっさんと同じ大学病院で働いてるイエガーとキャナリ……と、そのご子息のリバーくん――」
 シュヴァーンがリタの頭に手を乗せて彼女を紹介し、レイヴンが一人一人を指さしながら3人を紹介していく。その時――

 ピンポーン

 またもやインターホンが鳴り、会話が途絶える。
 一瞬だけ全員の行動が止まり、いち早く次の行動に出たのはレイヴンだった。
「今度は俺様が出てくるわシュヴァーン!」
 彼は脱兎のごとく、玄関へと向かって行った。

 ガチャ

「はいはーい、新聞の勧誘なら間に合ってま――」
「おはようレイヴン」

 ガタッ バシィッ

 反射的に閉めようとした扉はしかし、刑事ドラマ張りの素早さで新たな客人が滑り込ませた足によって阻まれる。
 そのまま2人はドアを引きあい、ギギギギ、と、金属製のドアが軋む。
「日曜の朝っぱらからなぁにしに来たんすか……? 言っときますけど、ウチには一袋500ガルドのやっすいコーヒーしかありませんよ?」
 レイヴンは何とか口の端を上げてみせるが、冷や汗が浮かび頬肉が痙攣しているあたり余裕はないようである。
「フッ、安心しろ。そんな事だろうと思って持参してきたぞ……ほれ、一袋3490ガルドだ」
 一方の男は、レイヴンと力比べをしているにもかかわらず優雅とも言える笑みを浮かべていた。更にはドアの端を掴んでいない方の手で、高級コーヒー豆の袋をちらつかせる。
「くっ、コーヒーなんかで釣られる俺様じゃねぇっての」
「ふむ、そうか。……それで? 何故そうも必死に釣られまいと踏ん張っているのかね?」
「生憎、今あんたみたいに面倒な人を入れられる状態じゃないんで」
「失敬だな、人がせっかく日曜を返上して世話の焼ける後輩達がちゃんとレディの扱いを心得ているか監督に来てやったというのに……」
「なぁ……っ!?」
 客人の台詞に、一瞬レイヴンの力が緩む。その隙を、彼は見逃さなかった。
「ぬん」
「うわっ!!」
 一気にドアが開け放たれ、前につんのめりそうになるレイヴン。
「という訳で邪魔するぞ、オルトレイン兄弟」
 客人が相変わらず毅然とした態度で中へと踏み出してくる。レイヴンはバランスを取るのに必死で、その侵入を許さざるを得なかった。

 

「シューヴァーアーンー……?」
 恨めしげな呻き声を上げながら、レイヴンは兄の胸倉をつかむ。
「い、いやだってお前……あの人に詰め寄られて隠し通せるわけがないだろう……」
 だらだらと汗を流しているシュヴァーンは、とりあえず彼から顔を背ける。
「あの仕事中毒のシュヴァーンが定時に帰ることが多くなって、しかもこの間は当日の朝になって突然休暇だぞ? 先輩兼上司として放っておくわけにはいくまい」
 新たな客人の男が、優雅にコーヒー(何故かイエガーが淹れた)を飲みながら口を挟む。
「へぇ……で、兄貴何て説明したの?」
「姪が遊びに来ているそうだ」
「人のこと言えないでしょおがぁぁぁぁぁぁぁ!!」
 ばしっ
『………………』
 数分前とは配役が逆のデジャヴはしかし、笑顔のままキャナリが掌をテーブルに叩きつけた音によって中断させられる。
「とりあえず、先輩のことも紹介してあげたらどうかしら?」
 男を手で示し、彼女は提案する。が、ただの提案の割には抗いがたい空気が漂っているのは気のせいではないだろう。
「……えっと……あの娘はリタって言って……とある事情により家で預かってます、はい」
「リタ、この人は聞いていた通り俺達の大学の先輩で、今は上司……つまり学部長のアレクセイだ」
 そのまま、縮こまって正座をし直す中年双子。テーブルを挟んだその正面にはソファに腰掛けたキャナリとアレクセイ。イエガーは未だ眠っているリバーを抱いてキッチンのシンクにもたれかかり、そんな4人を楽しそうに眺めている。そしてリタは引き続き、リビングの様子をダイニングテーブルから固唾を呑んで見守っていた
「さて……」
 アレクセイがコーヒーカップを置く。
 カチャ、と陶器と陶器がぶつかる音に続いて聞こえて来たのは、バキリ、バキリと手の関節を鳴らす音。

「貴様ら、辞表を書いてから私の研究の実験台にされるのと、私の研究の実験台にされてから辞表を書くのとどちらがいい……?」

『……どっちも……嫌です……』
 双子の額から頬、顎へと冷や汗がだらだらと伝っていくのが、リタのいる場所からも見えた。
「まったくあなた達、自分が何をしているのか分かっているの?」
 キャナリが溜息をつきながら、そんな2人に問いかける。

「どちらが言い出したことかは知らないけれど、見ず知らずの女の子を中年男性2人の家に置くなんて……世間の目は厳しいのよ?」
「まったくだ、大学始まって以来の一大スキャンダルになりかねんぞ。貴様らは光過敏性発作を引き起こさんばかりのフラッシュの中、学長と並んで頭を下げる私の姿がそんなに見たいのか」
「あ、それは見たいかも……あだっ」
「余計なことを言うな愚弟が!」

 脱線しかけたところで、ばん、とまたテーブルが叩かれて双子が静まり返る。

「あ……あの……」

 その時、ずっと黙っていたリタがついに口を開いた。
 自分のせいで、あの2人が戒められている……かつての彼女なら、「あの中年共が勝手にやったことだし」と知らぬ振りを決め込んでいたかもしれない。だが、今の彼女はもうそんな恩知らずでも……2人との赤の他人でもなかった。

「2人は、あたしを助けてくれたの……そいつらがいなかったら、あたしはどうなってたか分からない。
 ……だから、そいつらは悪くないから……お願い、責めないで……」

 部屋中の人物の視線が自分に集中する中、リタは絞り出すように言葉を発する。
「もし、あたしがここにいるのがどうしても許してもらえないなら……あたしは――」
 拳を、膝の上でぎゅっと握りしめた。
 続く言葉は、まだ喉の奥でつかえている。でも、言わなければ……言わなければ、あの2人が自分のせいで……。
 だが、言おうとすればするほど、自分の中の何者かが更なる拒絶をするように唇が勝手に引き結ばれる。
「……ねぇ、リタ」
 そうしてリタが壮絶な葛藤を繰り広げている内に、キャナリが立ち上がり、彼女の正面までやって来ていた。
 伏し目がちなリタの顔を覗き込むように膝を折り、彼女が握りしめた両手にそっと自分の手を重ねる。その瞬間、びくりとリタの身体が跳ねるが、そのまま両手を包み込むぬくもりに自然と手の力が抜けていく。

「あなたは、どうしたいの?」

 首をかしげてそう尋ねてくるキャナリはやんわりと笑ってはいるが、その目は真っ直ぐリタを捉え、何というか深層まで見透かされているような気になる。それでも、不思議と安心できる優しい眼差しだった。
「あたしは……」
 もう1度そう言い直して、半分俯いているような状態のため上目遣いの要領で双子を見た。正座したままの2人は、彼女と目が合うとばつが悪そうに視線を泳がせながらも、最終的にはやはり心配そうな目でこちらを見つめ返してくる。
 そこでリタが感じたのは、ここで求められているのは2人を守るための言葉でも、自分を守るための言葉でもない……何の利害も関係ない、本音であるということ。

「いつか、ちゃんと自分の家に帰らなきゃいけないのは分かってる。
 ……でも、あたしはまだこの家にいたい。……2人と……一緒にいたい……」

 今まで漠然と抱いていた本音を、初めて言葉として吐きだした。
「そう」
 それを聞いたキャナリは一度短くうなずくと、はぁ、と溜息のようなものをひとつ吐く。
 次に何を言われるのか予想が出来ず不安ばかりがただ膨らんでいくリタは、再び目を伏せてしまう。下手をしたらまた泣いてしまいそうでそのままぎゅっと目をつぶっていると、キャナリの手が片方、リタの手から離れ――

「合格、ね」

 すっ、とリタの頭の上に乗せられた。
『へ?』
 張り詰めていた空気を終わらせるには少々不可解な言葉に、リタだけでなくシュヴァーンとレイヴンも同時に素っ頓狂な声を上げる。
「2人とも、異論はあるかしら?」
 そう言って、イエガーとアレクセイを交互に見るキャナリ。
「ノーオブジェクション」
 イエガーはヒラリと片手を振って答えると、すぐにリバーを抱え直す。アレクセイに至っては片手を上げるだけで、いつの間にか優雅なコーヒータイムを再開していた。
「え、えーと……どういうことなんかね、これ……」
 状況を飲み込めない者3人を代表して、レイヴンが恐る恐る問いを発する。
「言っただろ? 様子を見に来たって」
「私も、監督に来たと言ったはずだが?」
 ポカンとしている双子を面白そうに眺めながら、イエガーとアレクセイは玄関口での言葉を繰り返す。
『………………――!!』
 すると、見る見るうちに双子の表情は青ざめ、同時に、悟った。そう、つまり彼らは――

 あ そ ば れ た 。

「という訳でリタ、改めてだけど私はキャナリ。よろしくね」
 頭を抱えて額をカーペットに押し付け、地獄の底から漏れてくるようなうめき声を上げ始めた2人を尻目に、キャナリはリタに右手を差し出す。
 リタはまだ状況を飲み込みきれていない。だがとりあえず、この第3者達によって今すぐ家を追い出される訳でないようだ。
 それに、多分……悪い人間でもないのだろう。
「よ、よろしく……」
 ためらいがちに、リタも自分の右手を差し出す。
 キャナリは、そんな彼女のまだ強張っている手を優しく握ると、もう1度「よろしく」と言ってにっこりと笑った。













ようやくこの3人が出せて満足。

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