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今日も幸せレイリタ日和。
2025/04/21 (Mon)09:59
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2011/10/25 (Tue)19:12
ハロウィン小説です。

以下の注意書きを読んでお進みください。


・まさかの「おとうさんといっしょ!」設定のほのぼの(?)ギャグ。

・クオマレとヒスームが残念なことになっています。
 虚空の仮面のままの2人でいて欲しい方はお気を付け下さい(一応キャナリやエステルも出てきます)。

・本編と矛盾するオリジナルの設定あり。

・明らかにそっち方向の言い回しがごろごろ。

・明らかに「殿/と/い/っ/し/ょ」の長宗我部家に影響を受けている。

・こんな騎士団は嫌だ。



それでは、続きからどうぞ。

おとうさんとはろうぃん!


「シュヴァーン隊長!」
「ん、クオマレか。どうした?」
「もうすぐハロウィンですね!」
「ああ、そうだな」
「それで、リタにゃんの仮装はもう決まってるんですか?」
「リタにゃん……? い、いや、多分まだだと思うぞ」
「そうですか、それは良かった! 実は騎士団の有志で集まってリタにゃんの仮装を作ってみたんですが、第1保護者の隊長に見てもらってもいいですか?」
「その第1保護者という肩書きが引っ掛かるが、それはありがたい。団長は久方ぶりのハロウィンだから自分が用意するお菓子のことしか頭になくて困っていたんだ。
 で、どんな仮装なんだ?」
「これです!」

 にゃーん

「………………」
「猫娘です! どうですか隊長! 猫耳ですよ猫耳!!」
「……クオマレ」
「はい! 気に入っていただけましたか!?」
「そぉこに直れぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇい!!」

 

 ああ、頭が痛い。
 騎士団長の執務室で今日も今日とて熱心に魔導器の研究書を読み漁っているリタを眺めながら、シュヴァーンはため息をついた。
 リタがアレクセイの養女になってからというもの、どうも妙に和やかというか、浮いているような雰囲気が騎士団に漂っていたのは感じていたが――

(まさか、リタに萌えていたとは……)

 クオマレを問いただしたところによれば、彼の所属する親衛隊を始めとするアレクセイの側近を中心に「(有)リタにゃん親衛隊」((有)は有志の有らしい)なるものが組織されており、「リタにゃんの一挙一動にもだもだすること」を目的として日々水面下で活動しているそうだ。
 具体的には、廊下で人に会うたびにアレクセイの後ろに隠れてしまうリタにニヤニヤしたり、分厚い本を一生懸命読んでいるリタにニヤニヤしたり、アレクセイの膝の上でうっかりうたた寝をしてしまっているリタにニヤニヤしているらしい。これはひどい。
 そして今日、その(有)リタにゃん親衛隊がハロウィンという行事を機に、直接的なアプローチを仕掛けてきたという訳だ。しかもあわよくば第1保護者たるシュヴァーンも引き込もうとしていたらしい。
(まあ、皆に可愛がってもらっているのはありがたいことだが……これはあまりにも……アレだろう……)
 別に今のところ、リタやアレクセイに実害が出ている訳でもないし、騎士団の士気はむしろ上がっているような気がしないでもない。だがリタの健全な成長を願う身としては、やはり不安の方が大きい訳で……「やったねリタにゃん! 大きいお友達が増えたよ!!」などとは到底喜べない。
「何を難しい顔をしている」
 もう1度ため息をついたところで、シュヴァーンが持ってきた書類にすべて目を通し、判を押し終わったアレクセイに尋ねられる。いつも難しい顔をしているこの騎士団長にそう指摘されるほど、自分は考え込んでいたらしい。
 アレクセイに向き直ると、彼は閲覧済みの書類の束をこちらに差し出してきていた。それを慌てて受け取りながら、シュヴァーンはもう一度リタの様子を窺う。
 研究書を読みながら魔導器の模型をいじっているリタは、やはり集中しているのかこちらを気にしている様子はない。そもそも、シュヴァーンの入室に気付いていないのではないだろうか。
「あの、実は……」
 何にせよ、リタの養父であり(本来なら彼が第1保護者であるはずだ)、件の〝親衛隊"の連中を監督すべきこの男には一応伝えておいた方がいいだろう。

 

「――と、言う訳でして」
「ふむ」
 手短なシュヴァーンの報告を聞いたアレクセイは相槌を打って腕を組む。
「確かにここ最近、親衛隊がやたら私の部屋に報告に来るとは思っていたが……」
 アレクセイにも思い当たる節があるらしく、「そういうことだったのか」と納得するような素振りだ。
「まあ、騎士団の運営に問題は出ていないのだから大丈夫だろう。これで士気が上がるのならば、特に禁止する必要もあるまい」
 が、やはりこの父親初心者は事の重大性に気付いていない。なるほど自分が第1保護者な訳だ。
「た、確かにそうですけど、大将は平気なんですか? リタが大きなお友達に大人気になってしまっても」
「リタが可愛いのは事実だろう」
 アレクセイの口からさらっと飛び出す親バカ発言。それには全力で同意しつつも、おそらく未だ深い溝のある認識の違いにシュヴァーンは身悶える。
「そうですけど……そうですけど……! あーもう!!」
 こうなったら、極論を出すしかない。

「最悪、連中が『リタにゃんは俺の嫁v』とか言い出すかもしれないんですよ!?」

 後ろのリタがまだ魔導器に熱中しているのを確認してから述べた言葉に、ぴくりとアレクセイの眉が動いた。
「………………」
 急に神妙な顔になった彼はそのまま黙り、考え込むように机に両腕を立てる。
 ようやく分かってくれたか、そう思ってシュヴァーンがほっと一息ついたのも束の間――

「よろしい、ならば戦争だ。
 シュヴァーン、今すぐ出撃するぞ。(有)リタにゃん親衛隊の連中を1人残らず殲滅する」
「そこまでしちゃらめぇぇぇぇぇぇぇぇ!!」

 事態を深刻に受け止め過ぎてしまったアレクセイから放たれだした殺気と物騒すぎる提案に、シュヴァーンは悲鳴を上げた。

 

 ハロウィン用に飾り付けをされた騎士団の食堂。あちこちでジャック・ランタンが不気味に笑い、期間限定メニューであるパンプキンパイの甘い香りが漂っている。
 最終的に「リタは幼女ではない、養女だ!」という訳の分からない主張を始めたアレクセイをひとまず執務室に残して避難してきたシュヴァーン。その目の前では、リタが美味そうにパンプキンパイを食べている。読書中のところを無理やり連れ出してきたため先ほどまでは膨れっ面をしていたが、どうやら機嫌を直してくれたようだ。
「おいしいか?」
「うん、おいしい!」
 尋ねてみると満面の笑顔で返され、こちらの頬も思わず緩む。
 だが気を抜く訳にはいかない。今は通常の勤務時間とはいえ、周りには非番や遅番、早番のため悠々とティータイムを楽しんでいる騎士もいるのだ。下手をすれば例の親衛隊の人間がいないとも限らない。
 周囲への警戒を怠らないようにしながら、シュヴァーンはとりあえず自分が頼んだコーヒーを啜る。するとこんどはリタが首をかしげて問うてくる。
「しゅばーんはぱいたべないの? りたのあげよっか?」
 そう言ってリタはパイを一切れ突き刺した状態のフォークをシュヴァーンに差し出すが、彼は首を横に振る。
「ああ、俺は甘いものは苦手なんだ。ありがとう、気持ちだけ受け取っておくよ」
「ふーん……へんなの」
 自分が(ついでにアレクセイも)大好きな甘いお菓子を嫌う人間を不思議に思ったのだろう、リタはそう呟きつつもその一切れを自分の口に運ぶ。
(まあ、可愛いよな……やっぱり)
 自分の身長に合っていない椅子に座りぷらぷらと足を揺らしながら、幸せそうにパンプキンパイを頬張る姿はまるで天使だ。だが、その可愛いはあくまで普通の子どもとしての可愛さであり、萌えだの何だの、そう言った不純な感情は御免こうむりたい。

「ねえしゅばーん。このぱい、もういっこたのんでもいい?
 あれくせいにもたべさせてあげたいの」

 だってこんな可愛いことを喋る生き物だぞ! あんな輩に汚されてたまるかァ!!

 内心はかなり荒ぶっているシュヴァーンだったが、リタには穏やかな笑顔で「ああ、いいぞ」と平然と返してのける。
「あら、シュヴァーンじゃない。仕事はどうしたの?」
「いいのか? 隊長ともあろう者がこんなところでサボりなんて」
 その時、背後から掛けられた声に振り向けば、トレーを持った男女の騎士の姿。
「あ、きゃなり!」
 うち1人の名前を、リタが嬉しそうに呼ぶ。
「こんにちは、リタ。お隣いいかしら?」
「うん!」
 リタに断ってから、キャナリはその隣の椅子に座る。
「ヒスーム、これは一時的な緊急非難だ。俺は別にサボっている訳じゃない」
「へえ? よく分からんがそういうことにしといてやるよ。じゃ、俺も邪魔するぞ」
 もう1人のヒスームもシュヴァーンの隣に座り、トレーに乗せていたミートパイにかぶりつく。
 この2人はシュヴァーンの同期の騎士だ。元々は3人ともアレクセイの隊に所属していたのだが、彼が騎士団長に昇格して親衛隊を指揮するにあたり隊を再編され、シュヴァーンは隊長として自分の隊を持ち、キャナリも小隊長(彼女の場合隊の規模が小さいため小隊長と呼ばれているだけであって、実際の権限は隊長と変わらない)に任命された。ヒスームはそのキャナリ小隊で副官を務めている。
「きゃなり、これからおしごとなの? おそばん?」
「ええ、あと2時間くらいでね」
 またキャナリは、リタが懐いている数少ない大人である。何でもアレクセイがリタを引き取ってからシュヴァーンが遠征から帰還するまで、2人の親子関係を監督していたのは彼女だったらしい。最近はシュヴァーンがやたらめったら世話を焼き気味であるが、それでも週に何度かはリタの様子を見に来てくれている。
「リタは、シュヴァーンとおやつタイム?」
「うん、でもしゅばーんはあまいものにがてなんだって」
「そう。好き嫌いはよくないのにね」
「ねー」
 キャナリはにっこりと微笑んでリタの頭を撫でてから、自分の食事に手をつけ始める。リタもそれに倣って、残りのパイを口に運ぶ。
「ところでシュヴァーン、さっきクオマレに会った時に急にげっそりして『おかん怖いおかん怖い』ってぶつぶつ言いながら震えてたんだが、何か知らないか?」
 微笑ましいな、と思いながら目の前の光景を眺めていたシュヴァーンは、隣から飛んできた問いに一気に気持ちが冷めるのを感じた。
「……教育上宜しくない者を排除したまでだ」
 「誰にとって」という部分は省いてシュヴァーンがそう答えると、しかしヒスームは深くため息をついて、まるで訳知りのような様子で話し始める。
「おまえの気持はよく分かるが、むさっ苦しい男所帯にはどうしてもガス抜きが必要なんだよ。まあ、ずっと近くにいるお前には理解できなくても無理はないけどな」
「?」
 逆にシュヴァーンの方が事情が分からなくなり、思わずヒスームに目を向ける。と、いつの間にか食事の手を止めてじっとこちらを見据えてきている彼と正面から視線がかち合った。

「俺達は……クオマレの犠牲を無駄にはしない」

 やたらカッコいいことを真顔で言ってのけるこの男は、やや無骨な皮肉屋だが本来物腰は穏やかな人間だ。しかし、今の彼からは敵意ともとれる剣呑な感情がにじみ出ていて……まさか――

「ヒスーム、お前もか……!」

 ああ、馬鹿なノリに付き合っているなと思いつつ、それでも心からの言葉でシュヴァーンは呻く。というかそもそもお前はキャナリの傍で働けてんだろうがぶん殴るぞこの野郎。
 騎士団に入団して以来の友が敵になった瞬間、視線を交わしていただけのはずが睨み合いに発展しバチバチと見えない火花が散り始める。

「ねえ、リタはハロウィンどんな仮装するの?」

 そんな彼らの敵対も露知らずキャナリがリタにした質問に、2人の首が一斉に正面に戻る。
 そう言えば結局決まっていなかったその議題。そろそろリタの希望に合わせて用意してやらねばと思っていたのは確かだが、だが今は、タイミングが悪い。悪すぎる。
「んーっとね、りたは――」
 だが可愛らしく考え込むリタを止めることもできず、シュヴァーンはただ息をのんで彼女の答えを待つ。
 そして数秒も経たないうちに満面の笑顔でリタが口にした答えに、彼は自分が真っ白な灰になるような感覚を覚えるのだった。

「ねこむすめがいい!」

 まさかのピンポイントである。

 

『どうしてこうなった……』

 ハロウィン当日、騎士団本部のホールで開かれたパーティの隅で、アレクセイとシュヴァーンはもう何度目にもなるその言葉を同時に呟いた。
 その視線の先には、最近恐れ多くも仲良くなってしまったエステリーゼ姫に手を引かれながら、大人達からお菓子をもらって渡り歩いているリタの姿。
 彼女の今の格好は、猫耳のカチューシャに、尻尾のついたやたらフリフリのメイド服、顔にはヒゲと鼻のペイント……もはやハロウィンの仮装というかただのコスプレの域だが、何を隠そうこれがあの(有)リタにゃん親衛隊が送りつけてきた衣装である。しかもアレクセイとシュヴァーンが闇に葬る前にそれを見てしまったリタ本人が一目で気に入ってしまったので、結局今日着させる羽目になってしまった。
 衣装の是非はもちろんだが、リタがこんな恰好でエステリーゼ姫とちゃんと釣り合いがとれるのだろうかという心配もあったのだが、どうもそちらは無用な心配だったらしい。というのも、エステリーゼの方もとんがり帽子と箒を持っただけのゴスロリ衣装だったからである。見ようによってはお嬢様とメイドの関係にも見え、ある意味バランスは取れている。

「私が言えた義理ではないが、エステリーゼ様の方は誰も止める者がいなかったのか……?」
「一応不穏な動きを察知していたメイド長は届いた衣装をチェックをしてはじこうとしたそうですが、連中に『この箱でハロウィンの衣装を送りますね☆』と教えられていたエステリーゼ様がメイド長より先に衣装の箱を開けてしまったそうですよ……」

 後で分かった話だが、(有)リタにゃん親衛隊と同様に(有)エステリーゼ姫親衛隊もこの騎士団には存在していて、エステリーゼの衣装も彼らが発案したらしい。おまけにあろうことか両方を掛け持ちしている不届き者もいるらしく、2人の組み合わせの調整も行われたそうだ。もうやだこの騎士団。
 鼻の下を伸ばしながらお菓子を差し出す大きなお友達の間を、リタとエステリーゼは進んでいく。正直、天使の笑顔が心臓に悪い(悶え死ぬ的な意味で)。

「あれくせい! しゅばーん!」

 何故か視界が滲んできたので目頭を押さえていると、無邪気な声で名前を呼ばれた。
 手を下ろして、その方向を見る。お菓子をバスケットいっぱいにもらってきたリタ(猫耳メイド)とエステリーゼ(ゴスロリ魔女)が片手を差し出し、とびっきりの笑顔でこちらを見上げてきていた。

『とりっく・おあ・とりーと!!』

 

 

「おい! 何か知らんが閣下とシュヴァーン隊長が倒れたぞ(笑)!!」
「誰か、医務室に運ぶの手伝ってくれ(笑)!」
「ふぇぇぇぇん! あれくせいとしゅばーんがぁぁぁぁぁ(泣)!!」
「リ、リタ、大丈夫ですよ! ほら、2人とも動いてるじゃないですか、ぴくぴくって(汗)!!」
「そうですよ、心配は無用です! 閣下と隊長のことは医者に任せて、お2人は俺達と一緒にパーティの続きを楽しみましょう(萌)!!」














どちらかと言うとおかんメインの話でしたね、すみません(謝るところが違う)。

でもシュ(ryは親泰ポジションですね(どうでもいい)。

実はアンケートの続編・シリーズ化希望で「おとうさんといっしょ!」をもらい、一応この話はその前から考えていたんですが背中を押される形になりました(笑)。
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