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今日も幸せレイリタ日和。
2025/04/21 (Mon)10:59
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2010/02/04 (Thu)02:04

今年やりたいと思っていたもの第1弾。


※注意
・現パロ
・鳥兄弟パロ
・んでもってリタっちと同居する感じ
・連載ものです(結構長くなりそう)
・きっとご都合主義


まだ構想段階の部分も多々あるため、詳しい設定の方は話がある程度進んでから公開したいと思っています。

書きたいエピソード、終着点は一応決まってはいるんですが、実際に書いてみると一つのエピソードに結構文量を書けてしまうことが発覚し、最終回まで結構時間がかかると思われます。

また、後の話との整合性が取れなくなった場合は一度UPしたものでもこっそり書き直す可能性があります。




こんなグダグダ感漂うものでもよければ、どうぞお進みください。


Heartful Life ♯1:温もりを忘れた少女


 学校の連中が、あたしのことを嫌ってるのはずっと前から知っていた。
 自分で言うのも何だけど、あたしの頭脳はそこらへんの人間よりずっと出来がいいらしい。テストは常に学年1位、理系教科については満点だらけ。高校のレベルを超えた質問をして教師を閉口させたことだってある。
 人に媚を売るのは嫌いだった。あと、自分よりずっとレベルの低い奴と話すのも。だから勉強を教えてくれと言われても冷たくあしらっていたし、クラスの輪に入ることも自分から拒んでいた。ずっと、自分の席で学術書を読んでる方が楽しかった。
 やがて、あたしの机に悪戯書きがされていたり、靴に画びょうが入っていたり、所謂いじめの兆候が見られるようになった。あたしに親がいないのをいいことに、アパートのポストにまで悪趣味な手紙を大量に入れられた。
 それでも、あたしは何の文句も言わなかった。相変わらずクラスの連中を覚めた目で見下し続け、何事もなかったかのようにクラスの隅で学術書を読みふける毎日。だって、怒ったり泣いたりしたところで、あいつらが喜ぶだけ。それより、自分の世界に閉じこもっていた方がよっぽど楽しかった。本当は学校を辞めようかとも考えたけど、親が残してくれたお金で入ったこの高校を辞めるのも癪だったから登校はし続けた。
 教師の方も教師の方で、あたしのことが気に食わなかったのだろう。クラスの空気からいじめは把握していたはずなのに、何のアクションも起こそうとはしていなかった。元から教師に頼るつもりもなかったからどうでもいいことだけど。

 ただ、あたしのストレスは意外と溜まっていたらしい。学校から帰って、いつものようにポストから溢れている(おそらく)誹謗中傷の紙切れを見たところで、もう何もかもどうでもよくなった。
 制服を脱いで、私服に着替えて、財布から現金以外は全部抜いた。携帯も電源を切って、そのまま机の上に置き去り。とにかくあたしの身元が割れそうなものや居場所が分かる手がかりになるものは全部置いて来た。どっちにしろあたしの捜索願なんて出す人間はいないだろうけど、念のため。
 それから駅に行って、券売機で買える1番高い切符を買って適当な電車に乗り込んで適当な駅で降りてまた適当な電車に乗った。とにかく、あたしを知る人間が確実にいないところに行ければそれで良かった。
 そして終電。降りたその駅はあたしの家からざっと100㎞。とりあえず満足したあたしはゆくあてもないまま改札を抜けた。

 

 寒い……。
 真冬の夜空の下、名前も知らない公園のベンチに上半身だけ横たえて、あたしはボーっとしていた。
 家に帰るとかホテルに泊まるとか、そういった発想はあたしにはなかった。とにかく、あたしと言う存在を消してしまいたかった。

 このまま寝たら死ねるかな……ああ、でもこの程度の寒さじゃ風邪ひくだけなのがオチか。どうしようかな……ここで寝てたら補導とかされそうだしな……。

 でも長旅の疲れと寒さで固まってしまった身体のせいでそれ以上動く気にもなれずに、じっとそのままでいた。警官とか、正義感の強そうな人間が通りかからないのを頭の片隅で祈りながら……目を閉じた。

「こんなところでどうしたんだい? お嬢ちゃん」

 その時、誰かが声をかけてきた。
 目を開けると、あたしの顔を覗きこんで来ていたのは中年の男。ぼさぼさの髪を後ろでくくり、顎には無精ひげ。仕事帰りなのか、暖かそうなコートを着て肩から鞄を下げていたその男は、しゃがみこんでもう一度尋ねてきた。
「こんなところで寝てたら風邪ひくよ?」
「……うっさい。ほっといて」
 のっそりと起き上がってそう返す。寒さのせいからか、少し頭痛がした。
「ほっとける訳ないでしょーよ。年端もいかん女の子がこんなところで寝てたら」
「ただの家出娘よ。言っとくけど、警察とかに通報したらぶっ飛ばすからね」
 それだけ返して、あたしは立ち上がってその場を去ろうとする。このおっさんに目をつけられた以上、ここは離れた方が得策だろう。でも力が入らずに身体がよろめき、その場に倒れこみそうになってしまった。
「おぉっとぉ」
 寸でのところでおっさんに抱きかかえられ、地面にぶつかることは免れる。
「大丈夫? ……じゃあなさそうね。身体冷え冷えよ? もう少し暖かいところに――」
 薄着のあたしの背中に、おっさんの手が当たっている。そこからじんわりと伝わってきた熱に、あたしの身の毛がよだつ。
「うっさい! てゆーかいつまで触ってんのよ、放して!!」
 おっさんを突き飛ばし、それから我に返る。
「あ……」
 久しぶりに、本当に久しぶりに感じた人肌にあたしが感じたのは嫌悪感。そのことに、あたし自身がひどく驚く。
「うわっ、ごめんね。キモかったわよね、ホントごめん!」
 一方のおっさんは、慌てたように手をバタバタさせてとにかく謝ってくる。
「……とっ、とにかく! あたしのことはほっといて。さよなら」
 何だか気まずくなって、そそくさと身を翻した。しかし――

 ぎゅうぅぅぅぅぅぐるぅうぅぅぅぅぅぅううぅ

 漫画みたいな音を立てて鳴ったのは、あたしのお腹。
 しまった、今日は朝から何も食べてなかったんだ……。途端に訪れる空腹感。今までどうにでもなれっていう気持ちと寒さで忘れていたけど、動いた拍子にぶり返してきたみたい。それにしてももう少しタイミングを考えなさいよ、あたしの腹の虫。
 後ろのおっさんを振り向くと、ぽかんとこっちを見てた。
「な、なによ……」
 あまりの恥ずかしさに、顔が熱くなる。するとおっさんは意を決したように上げていた手を下ろし、あたしに歩み寄って来て――
 

つづく。

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