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今日も幸せレイリタ日和。
2025/04/21 (Mon)10:24
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2012/02/01 (Wed)00:36
なんですが、本当に誰も得しない設定です。

学パロ((Don’t) Repeat After Me)設定で理事長とエイリーンちゃんの話です。

この2人でバレンタインです。

この2人でバレンタインです。

大事なことなので2回(ry


何が出てきても怒らない人だけ続きからどうぞ。

History (Does’nt) Repeats Itself


「――でさー、結局その子その先輩と付き合い始めてラブラブなのよねー。いいなぁ……」
「きゃー素敵。やっぱドラマチックな恋愛って憧れるわぁ」
「ふーん」
「ふーんって、ノリ悪いわねエリ」
「でもエリって恋愛願望なさそうよね」
「あたしの周りにもファン多いってのに……陰で何人の男が泣いてきたのやら」
「ちょっと、冗談やめてよもう。それに、わたしだって恋愛願望ぐらいあるし」
「え、どんなどんな?」
「……わたしも、とーさんとかーさんみたいな素敵な恋愛がしたいなー……とか」
「っ!!」
 ばさばさばさばさっ
「あれ、フレン先生どうしたんですか?」
「なななな何でもない! さあ、もうチャイムが鳴るぞ、席に戻るんだっ!」
『…………?』
(こ、これはフラグというやつなのか……!?)

 

 鉄扉を開くと、身を切るような寒気と開けた視界。思わず吐いた息が白く消えて行く。その前方にもう1カ所、白い煙が寒空に立ち上っていく場所があった。
「もう、とーさんってばまたこんな所でタバコ吸って……」
「あーらーエリ、ここは生徒立ち入り禁止よ?」
 短いスカートを揺らしながらつかつかと歩み寄っていくそこには、白衣の上にコートを着込んだこの学校の物理教師でありエイリーンの父親であるレイヴンが座りこんでいた。「昔は学校の中でも吸えたのに世知辛い世の中になったわねぇ」と嘆いているのを幼少の頃から聞いてはいたが、本当は当時教え子だった現在の妻(つまりエイリーンの母親である)が物理準備室に入り浸るようになった時から自分でこの屋上を喫煙場所に定めたことも、幼少のころからある人物に聞かせてもらっている。現にエイリーン自身、母親や自分の近くで彼が煙草を吸っているのを見たことがない。
「わたしは特別任務だからいーの。ほら、アレクせんせが呼んでたわよ」
 腰に手を当ててレイヴンを見下ろしながらその人物の名前を出すと、何だかんだで愛娘の登場に頬を緩ませていた彼の表情が曇った。
「ったくあのまいたけ野郎……人の娘を顎で使いやがって……」
 咥えていた煙草を携帯灰皿にぐりぐりと押しつけながら呟き、レイヴンは立ち上がる。そしてぽんとエイリーンの頭に手を乗せると、次には両手で彼女の肩を掴んで回れ右をさせる。
「じゃ、任務は終わったんだから生徒は校舎に戻る戻る」
「分かってるわよ、もうすぐ授業だし」
 嗅ぎ慣れてきた煙草の残り香に嫌な顔1つせず、素直に今出て来たばかりの扉に向かう。すぐ後ろに着いてきているレイヴンは、
「今日はあんまし校舎内うろつきたくないってのに……」
 とぼやいているので、振り向いて「甘いのが嫌いだから? それともかーさんの本命だけが目当てだから?」と聞いてみると、「んー、どっちも」という答えが返ってきた。
 くすくすと笑って前に向き直った数秒後、何やら思いついたのか「あれ」と後方の父親から声がする。
「……エリはお父さんに本命くれないの?」
 どこか不安そうに尋ねて来るその声にまた吹き出しそうになりながら、「残念ながらとーさんに本命あげたことなんてありません」という残酷な告白は胸に秘め「さあ、どうかな?」と悪戯っぽく言ってやった。
 昨日1人で作り上げた、いくつかの手作りガトーショコラ。甘さ控えめの1組はもちろんレイヴン用で、今夜の夕食後に母と一緒に渡す予定だ。数組は仲の良い友人用、大方はこの昼休み中に交換済みである。それと担任のフレンとジュディスにも渡してきたのだが、フレンの方は何故かいつもの落ち着きを無くして妙に挙動不審になっていた。ひょっとして本当の彼女(いるのかどうかは知らないが)に目をつけられたらまずいとでも思ったのだろうか、だとしたら悪いことをしてしまったかもしれない。
 ……そして、とびっきり甘いのが他に1組――

 

「しっつれーしまーす……てうっわ、昼より増えたねー」
 放課後やってきたその部屋では、テーブルの上に主に赤を基調とした包装の小箱や小袋がうず高く積まれ、甘い匂いが充満しており、エイリーンは入った瞬間に目を丸くした。
「相変わらずモテモテだね、アレクせんせ」
 そのテーブルに備え付けられているソファに鞄共々身を投げ出しながら、エイリーンは奥の高級感漂うデスクで早速チョコレートを横に置いて仕事をしている部屋の主にそう声をかけた。
「この歳になってモテモテも何もなかろう」
 St.ヴェスペリア学園理事長アレクセイ・ディノイアは彼女の言葉に苦笑を交えてそう答えながら、ボールペンを走らせる。
 おそらくこの学園内で、彼相手にここまで馴れ馴れしい口を利くのは教師を含めてもエイリーンだけであろう。というのも、元々大学の先輩と後輩という間柄になるレイヴンにこのアレクセイは何かと干渉しており、エイリーンにとっては物心つく前から付き合いのあった相手なのである。そのせいもあって、中等部に入学して以来彼女は毎日のようにこの部屋に来ていた。馴れ馴れしい口調も、砕けた呼び方も、当時の名残のままだ。
 現在66歳ではあるが、アレクセイの外見はエイリーンが幼い頃から大して変わってはいない。未だ仕事に燃えているからか、それとも何か別の若さの秘訣があるのかは定かではないが、少なくともエイリーンの知っている生徒の多くは彼をまだ50代前半あたりだと思っている。
「ほんと、それでお嫁さんいないって勿体なさすぎ。あーあ、わたしがあと30年早く生まれてたらアレクせんせに嫁いであげてたのに」
「レイヴンが義父になると思うとぞっとするからやめなさい」
 もう何度か繰り返したことのあるやり取りだ。常に目下の者としていびり倒して来たレイヴンの立場が、何か1つの分野でも自分より上になるのが許せないのだろう。……まあ、そもそもそれだとレイヴンの年齢的にも無理がある訳だが。
「エイリーン、紅茶でも飲むかね?」
 そして数秒置いてから、書類が一段落着いたのかボールペンを置いたアレクセイにそう尋ねられ、エイリーンは満面の笑みで答える。
「わーい! 飲むー!」
 これまで生きてきた中で、エイリーンはアレクセイが淹れる紅茶より美味しい紅茶を飲んだことがなかった。最近は仕事が忙しかったためかこの部屋に来てもなかなか飲めなかったのだが、今日はアレクセイも甘いものに囲まれて機嫌がいいのだろう。
 何でも先代の理事長が「部屋でおでんを作りたい!」と言い張って部屋の隅に取り付けられたという、理事長室にはおおよそ不似合いなキッチンスペースのコンロに火を点けるアレクセイ。料理はからっきしなのに紅茶だけはしょっちゅう自分で淹れている為、シンクの前に立つ姿は妙に板に付いている。
 そちらの方から聞こえてくる食器の音を聞きながら、エイリーンは目の前に積まれたチョコレートの山に目を向けた。
 先程も話していたとおり、アレクセイは女子生徒からの人気が高い(ちなみにレイヴンも高い)。だが、彼に贈り物をしている生徒は数多くあれど、こうして理事長室に居座った挙句紅茶まで淹れてもらっているのはエイリーンだけに違いない。こんなに多くのチョコレートがあるのは正直少しつまらないが、これだけ多くの女子より少しだけ特別扱いをしてもらっているということに優越感を感じているのも事実だ。
 しかし――

(あと1年、かぁ……)

 普段からずっと雑談をしていることもあれば、アレクセイの仕事が忙しそうな時は宿題や読書をしながらたまに言葉を交わす、ほんの小一時間ほどの習慣。それと共に過ごしてきた学園生活も、もう5年目が終わろうとしている。
 約1年後の卒業と同時に、この習慣は終わるのだ。幼少期からずっと可愛がってくれていたアレクセイとの繋がりが一つ切れ、ここまで近しい距離でいられることももうないのだろう。
「待たせたな」
 ぼんやりとそんな考えを巡らせていたエイリーンの目の前にアレクセイの腕が伸びてきて、湯気を上げる紅茶が注がれたティーカップが現れる。テーブルの空いたスペースに置かれた琥珀色からは芳しい香りが漂い、また「わーい」と歓声を上げながらエイリーンはカップを手に取った。そして一緒にソーサーに乗せられていたスティックシュガーを入れてかき混ぜ、口をつける。
「……ん、美味しい! これ今まで飲んだことないような気がする……また新しい茶葉?」
「ああ、先週海外から取り寄せたものだ、まだ開けていなかったのでな。気に入ったのなら良かった」
 向かいに座ったアレクセイも自分で淹れた紅茶を啜って満足そうに頷いている。他の生徒の前では見せることのない、本当に親しい人間に見せる柔らかい笑み。ひょっとしたらいつまで経っても手のかかるわがまま娘だ、などと思われているかもしれないけれど、それでも自分に見せてくれるこの笑顔はずっと変わらない。

「菓子も食べていいぞ、これだけあるからな」
「あ、こら、そんなこと言っちゃ駄目でしょ。みんなアレクせんせに食べてもらおうと思って持って来てるんだから」
「む、そうか……?」
「そうよ。わたしも小っちゃい時はとーさんがもらってきたのを食べようとしてたけど、自分が人にあげるようになってからはやっぱりあげた人に食べてもらいたいって気持ちが分かるもん。義理でも」
「……そうだな。ではありがたく全部食べさせて貰うか」
「よろしい。ま、アレクせんせはとーさんと違って甘いもの好きだし、何だかんだ言って喜んで食べてるんでしょ?」
「はは、エイリーンにはお見通しか」

 残り少なくなった、こんな何でもないようで特別なやり取りのタイムリミット――でも、他の子たちが過ごせないこんな時間を過ごせているだけで、自分は嬉しい、から。

「じゃ、アレクせんせ。わたしからのバレンタインプレゼント」

 つぶれないよう鞄の上の方に入れておいた箱を取り出し、アレクセイに差し出す。
「わたしのは本命だからね、ちゃんと食べてよ?」
 初めてバレンタインのお菓子をあげた時からずっと、何でもない顔で冗談っぽく……にっこりと笑いながら告げた言葉はしかし本音だということを、「毎度嬉しいことを言ってくれるな」と笑いながら受け取ってくれる彼はきっと気付いていない。気付かなくてもいい……だから。

 だからあと1年だけ、手のかかるわがまま娘でいさせて。


 











流石に50歳差は無理があるね\(^p^)/

でも多分これは恋とかじゃなくて私だけのおじいちゃんアレクせんせでいてほしい、みたいな。
そういう感情なんじゃないかな!
だからカップリングじゃなくてあくまでコンビなんじゃないかな!!
……管理人もそこんところよくわかんなくなってきた。

一番かわいそうなのはフレン先生だね! ごめんね☆

あ、今更ですが前回からタイトルはエ○ァを参考にしましたw
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