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今日も幸せレイリタ日和。
2025/04/21 (Mon)12:46
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2010/08/11 (Wed)23:14

・虚空の仮面での主従フィーバー

・昨日誕生日プレゼントで友人にもらったレイリタ絵で跳ね上がったテンション


のみで書きあげた3万HIT記念フリー小説です。



※注意!!

小説設定を踏まえた(でもPS3版)
「生存アレクセイから見たレイリタ」













のつもりで書いた

レイリタ
  ↑ ↓
 アレ

っぽいもの。



で す よ (^p^)






フリーなのにパラレルって、お前……。


記憶の彼方の言の葉と


 何故助けられたかなど、今でも分からない。
 彼が自分に抱いているはずのものは、恨みと憎しみ――良くて軽蔑。いずれにせよ、自分を救う理由にはなり得ない筈だ。
 ……いや、もしくはかつての彼のように絶望に打ちひしがれ、苦しみ生きることを求めていたのかもしれない。
 死んで、自分だけ絶望と大罪から逃れるなど許さない……と。

 ザウデ不落宮が完全に崩壊し、星喰みが完全に空を覆わんとする中、始まった4精霊を集める旅。その元凶となった自分が今こうしてその一行の中にいるのは、奇跡から始まった必然であった。
 自分が呼び寄せた太古の災厄――死に逃げることを、一度助かってからは誰も許してくれなかった……ならば、自分もそれを鎮める為に手を尽くすしか、選択肢はない。

「一緒に行きましょう、アレクセイ」
「流石にあんなの、大将でも手に負えないっしょ」

 しかし独りで闇の中を駆けずり回ろうと決意を決めた彼に手を差し伸べて来たのは、ついこの間まで野望の為に手駒としていた姫君と部下。
 自分の耳を疑いながらもその誘いを受けたのは、その方が星喰みを消し去るという目的に、より現実味が増すように思えたからだった。

 

「そっち行ったぞアレクセイ!」
「任せろ」

 鬱蒼とした森の中でもやや開けた場所で魔物の群れに取り囲まれ、ユーリが取りこぼした2頭のウルフが紅の衣へと迫る。
 アレクセイの剣は前方から自分に突進して来ていたボアを斬り伏せ、振り向きざまに一閃。鋭い牙を剥き出しにした2つの頭部が切断され、彼の両脇の空を切って行く。

「ヒュー、大将カッコいー」
「バカ言ってるとアンタも吹き飛ばすわよ!」

 複数の矢を一気に撃ち込みながらレイヴンが口笛を吹いたところで、パーティの中央で神経を集中させていたリタの詠唱が、完成した。
「アクアレイザー!!」
 波紋のように敵の足元に展開した魔法陣から、刃となった水が噴き上げる。
 これにより、魔物の群れは大方が片付いた。
「ナイスだリタ! みんな、畳み掛けるぞ!!」
「ええ!」
 魔物達が怯んだのを見逃さず、戦闘狂の気があるユーリとジュディスが群れへと踏み込み始め、防戦から攻撃の姿勢へと転じる。
 他のメンバーも敵を追い詰め始め、次第にパーティの輪が広がって行く。

 ガサ……

 その時、自分より頭3つは背の高いベアの胴を薙いだアレクセイの耳に、植物の葉が擦れる音が入る。
 森の中であるため、その音は決して珍しいものではない。現に今も魔物が倒れる度にいくつもの葉が擦れ合い、音を立てている。だが、あの音だけが妙に響いたのは何故か――
「モルディオ! 上だ!!」
 音を聞いてから判断を下し、叫ぶまでのその間、およそ0.4秒。
 だが既に、リタの頭上に伸びた枝の間から急降下していたラプターの嘴が彼女の脳天へと迫っていた。
「っ!?」
 見上げたリタは自分に迫る危険を即座に察知するが、その分反応が遅れ、かわす時間も防ぐ時間ももう残されてはいない。
 アレクセイの声に振り向いた面々も、そこで彼女の危機を認知しただけで、距離がありすぎて打つ手はない。ただ1人を除いて……。

「リタっち!」

 少女の眉間に嘴が突き刺さる直前、その姿を右方から飛び出して来た紫が覆った。
 紫はそのまま彼女ごと地面へと倒れ込み、標的を失ったラプターは慌ててその場で翼を広げ、地面への衝突を免れる。そしてすぐに、リタを強く抱きかかえたレイヴンに狙いを定め直して、2撃目を――
 ザンッ
繰り出す前に、間に割って入ったアレクセイの一閃によって嘴ごと首を飛ばされる。
 翼を動かす命令器官を失った鳥の巨体が、呆気なく地に落ちた。
「リタ!」
「レイヴン!」
 魔物を一掃し終えた仲間達が、地に倒れたままの2人の元へと駆け寄ってくる。
 もう上方に何の気配もしないのを確認してからアレクセイも彼らを振り向くと、レイヴンがのっそりと起き上がり、やや遅れてリタも身を起こすところだった。
「あっぶなかった~……リタっち、怪我ない?」
 いつものように飄々とした口調で、レイヴンがリタに尋ねる。それなりの間抱きしめられていたリタは気まずいのだろう、俯き加減で小さく「うん」と答えてから、赤くなった顔を上げた。……だがすぐに、その翡翠の目が大きく見開かれる。
「ちょ……! あんたの方が怪我してるじゃない!!」
 彼女の言う通り、レイヴンの頭からは血が流れていた。それも一筋どころではない、右のこめかみから右目にかけて、ほとんど真っ赤に染まっている。
 アレクセイの目に、足元に転がっている鳥の頭が映った。嘴の先に、明らかにこの魔物のものではない赤と、灰色がかった黒髪が目視できるほどにこびり付いている。
「え? 大丈夫よ、これくらい」
「大丈夫な訳ありません! すぐ治します!!」
 エステリーゼが膝をつき、流血の止まらないレイヴンの頭へと手をかざす。
「だからだいじょぶだ……って……あ、れ?」
 不意に、彼の身体が傾いた。自分の意識とは関係ないその動きに彼自身も疑問の声を上げるが、再び地に倒れた時にはもうその意識すら失ってしまっていた。
「おっさん……? ちょっと、おっさん!!」
 揺すっても反応を示さないレイヴンに、リタの、全員の顔が青ざめる。
「エステリーゼ様! とにかく治癒術で止血を!」
「はっ、はい!」
「おっさん! おっさん……っ!!」
「リタ姐心配するな、怪我のショックで気を失ってるだけなのじゃ!」
「ワォーン」
「カロル、一番近い街はどこだ?」
「この辺りだと、ヘリオードが近いはずだよ!」
「とりあえずは森を出ましょう、ここからではバウルを呼べないわ」
 取り乱すリタを気遣いながら、各々が冷静に次の行動へと移って行く。
 その光景をどこか遠い場所のように感じながら、アレクセイは見守っていた。そしてエステリーゼの治癒術が終わったところでおもむろに腕を伸ばし、気を失ったままのレイヴンの身体を担ぎあげる。
「森を抜けるまでは私が運ぼう、悪いが誰か1人後ろに着いてくれ」
「私が付きます」
「頼む」
 すぐに名乗りを上げたフレンに礼を言って、アレクセイはレイヴンを背負う。
 目の前で泣きそうな顔をして肩を落としているリタを眺めながら、彼は10年前からこの間まで空っぽだったはずの男の重みを感じていた。

 

(ヘリオード……か)
 騎士団が管理する新興都市は、夜になるとかつてのような作業音はもう響かない。不正な強制労働が暴かれ、フレンという正義感に満ち溢れた騎士の管理が行き届くようになったからだ。ただ、労働キャンプで働かされていた者の数は多く、騎士団による救済……いや、賠償がまだ満足に行き届かず、眼下に広がる粗末なテントの群れには未だにぽつぽつとランプの明かりが灯っている。

 これも自分が犯した罪の一つ。……数あるうちの……一つ。

 結界魔導器がそびえている街の中心部からそれらの光を眺めながら、アレクセイは煉瓦造りの垣に乗せていた手を握りしめた。
 この街に入った時から、駐在している騎士達の大半が向けてくる不信の眼差しと、ごく一部が未だ向けてくる尊敬の眼差しを感じていた。だがそれ以上に感じたのは、住人達からの憎しみを帯びた眼光。何度か視察に来たこともあるため、ここでは他の街と比べて随分と顔が割れているようだった。

 その時、背後から近寄ってくる人間の気配がする。
 闇討ち……心のどこかでそれを期待しながら、彼はそれに気付かぬ振りをした。どちらにしろ、今はあまり人と話したい気分ではない。
「アレクセイ……」
 遠慮がちに声を掛けられ、相手が暗殺者でも復讐者でもないことに、やはり心のどこかで落胆する。
「どうした、モルディオ」
 振り向かないまま、声は努めて穏やかに返す。
 彼の2メートルほど後ろで歩みを止めたリタは黙りこみ、静寂が2人を包む。

「……今日は……ありがとう」

 ようやく少女が紡いだ言葉は、とても短くてありきたりなものだったが、少なからずの意外性も持ち合わせていた。
 一緒に旅をしているとはいえ、彼女は……いや、彼女の仲間達も、未だ自分のことを許してなどいないだろう。巨大魔核に潰されるところだった自分をラリアットをかましながら引きずり倒し、自身も命からがらだったレイヴンや、彼と並んで仲間や騎士団相手に自分の弁護を必死になってしてくれたエステリーゼなら或いはその限りではないのかもしれないが、2人の行動すら、アレクセイにとっては理解しがたいものである。
 だから、礼を言われるなどあり得ないのだ。しかも、よりによってこの気難しい少女からは、特に。
「君を助けたのはレイヴンだ」
「……そうね。でも一応、教えてくれた礼は言っておく」
「……君には嫌われているとばかり思っていたが……」
「嫌いでも助けてもらった礼ぐらいは言えるわ」
「そうだな……まあ、ありがたく受け取っておこう」
 アレクセイは、そこで会話を終わらせたつもりだった。だが、リタはその場から動こうとはしない。

「おっさん、目を覚ましたわよ」
「そうか」
「あんたがいないの、気にしてた」
「そうか」
「……帰らないの?」
「私などより君が傍にいてやった方がいい」
「何よ、それ」
「私では、何の救いにもならないということだ」

 ようやく振り向いたアレクセイの紅い双眸と、リタの翠の瞳から伸びる視線が、遂に直線を結ぶ。
 綺麗な瞳だ、とアレクセイは思った。絶望を乗り越えられる、希望の光を持った瞳……。かつての自分も彼女と同じような目をしていたはずなのに、夢の全てが無に帰したあの日から濁ってしまった。あの日、絶望を乗り越えるためにアレクセイが求めたのは、希望などではなく他人の絶望だった。

「私では、彼に希望など与えられない。彼が希望を見出したのは、君だ」

 目の前の少女に、レイヴンが仲間とはまた違った感情を抱いていることは知っていた。そして、その逆も。
 一緒に旅をするようになって初めて、あの男が笑ったのを見た。単純な、シュヴァーンとレイヴンの演じ分けではなく、心の底から、楽しそうに、幸せそうに……。その視線の先にいつでもリタがいることに気付くのは、難しいことではなかった。今日のあの戦闘でも、レイヴンは魔物を倒す為に武器を振るうのではなく、彼女の盾となり、彼女の負傷のリスクが最も低い方法を選んだのだ。逆に、自分の負傷のリスクが高まるのも無視して。
 そこで〝彼″はようやく生き返ったのだと……そう、感じた。その徹底した自己犠牲の精神は、〝死人″だった時の後遺症かもしれないが……。
 彼を蘇らせた時から自分が道を踏み外すまでの間、アレクセイがどんなに呼びかけようともまるで人形のように表情一つ変えなかったあの男を……結局自分が勝手に作って、勝手に壊してしまったあの男を……救ってくれたのは、本当に蘇らせてくれたのはこの少女と仲間達だ。だから彼は、自分などではなく、彼女達や彼を慕う者だけを目に映しておけばいい、護り護られていればいい。

「あんたは、おっさんに希望を持ってたんじゃないの? だからおっさんを生き返らせたんじゃないの?」

 先程のアレクセイの言葉に少しだけ頬を染めながらも、リタは強い光を宿したままの目で彼を見据え、問う。
 ……この聡明な娘は、唐突なあの一言で何を悟ったのだろう。
「そうだな……。だが私の言葉は、彼には届かなかった……私は自分の痛みを癒すのに必死で、彼の痛みを理解したつもりになっていただけだった。私はただ理想と、役と、命を、勝手に押し付けただけだ」
 全てを失った彼にとって、望まぬ生を与えたアレクセイの言葉などただの空気の振動でしかなかったのだ。だから彼は、与えられた役を拒むことなくこなし、与えられた命を止めることなく生きる、それ以上でもそれ以下でもない存在に長い間留まっていたのだ。
「あの時語った理想に、嘘があった訳ではない。……だが今思えば、彼が私の理想に染まらなかったのは正解だったのかもしれぬな」
 同情を誘うようなことは言いたくなかったのだが、弱音とも言い訳とも取れる発言が漏れて思わず自己嫌悪する。最後に自虐でその言葉をぼかしながら、そっとリタから目を逸らした。

「あんたの言葉は、ちゃんとおっさんに届いてる」

 だが、彼女が紡いだ言葉に反応してすぐに戻すことになる。
「確かに、その時は届かなかったのかもしれない……でも少なくとも今は違う。だからおっさんは、あんたを助けたのよ。エステルがあんたを助けようとしてるのも、あんたの理想がただの方便じゃないのを知ってるから」
「………………」
 10年前、何度も空っぽの彼に語った理想、励まし、そして叱咤……。幼かったエステリーゼにも、何度か語ったことがあるような気がする。まだ覚えているそのいくつかが頭の中を巡るが、まだまっとうだったころの自分のことを全て思い出すのは、何故か酷く難しいことのように感じられた。
 ゆっくりと首を振って、アレクセイは否定の言葉を口にする。
「……彼が10年かけて這い上がるまでの間に、私は随分と堕ちてしまった……私はもう、その言葉をかけた時の私ではない」
「なら、あんたも這い上がればいい」
 その言葉を遮るように、ぴしゃりと、強い口調でそう言い放ったリタはつかつかと歩み寄って来て、彼の左胸に人差し指を突きつける。

「10年前のあんたと同じ所まで、這い上がればいい。這い上がって、生きて、おっさんと一緒に今までやってきた分を償いなさい。
 ……あんたにもまだ、できることがあるはずよ」

 少女の紡いだ言葉が、指を突きつけられた胸に響く。
 特に最後の言葉――昔、何処かで聞いたような気がするその言葉は、何かを思い出させようとしているかのように何度も頭の中にこだましていた。
「とにかく、おっさんが死ぬ気で助けた命をないがしろにするなんて、絶対に許さないから」
 リタはそう言いながら指をアレクセイの鼻先に突きつけ、とどめとばかりに睨みを利かせる。
 その言葉に、偏屈少女の可愛らしくも心強い想いを見出した気がして――
「……何笑ってんのよ」
「いや……レイヴンもいい恋人を持ったな」
「こっ……!? そんなんじゃないわよバカ!!」
 途端に顔を真っ赤にして悲鳴を上げたリタは、慌てて身を翻し、早足で宿の方へと歩いていく。
「ほら、早く帰るわよ!」
「……ああ。君が戻らないと、レイヴンが心配するからな」
「ばっ……!!」
 彼女の後にゆっくりと続きながら、また、あの言葉を反芻する。
(私に……できること……)
 それが、少なくとも今死を望んだり、後悔の念に苛まれるばかりで立ち止まることでないことは確かだろう。とにかく今は、断罪と償いのこの旅に身をやつそう……絶望している暇など、あの面々との時間の中には、ない。
(それにしても、部下共々あんな少女に説教されるとはな……)
 このメンバーで旅をしているおかげで自分も随分と毒気が抜けたものだと、足を踏み鳴らして目の前を歩くリタの背中を眺めながら、彼は苦笑した。
 












個人的生存まいたけ設定

・イメージソングはYUIの「again」

・おっさんよりネガティブ

・身を呈してエステルを守ろうとするけど、いつもユーリに盗られる。

・パティちゃんに事あるごとに背中を見せてたら萌える

・そしてアレパティへ




という訳で(?)、お持ち帰って下さる奇特な方は、どうぞご自由にお持ち帰りください。

「ウチのサイト晒してやんぜw」って方は、報告は不要ですが晒す際に当サイトの明記をお願いしますm(_ _)m

今回は3万HIT、ありがとうございました!!
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