今週末に時オカの発売を控え、3DSとついでに戦国無双を買ったはいいけどまだ箱すら開けてないというこのありさま!
色々積んでます。特にPSソフトでPS3を買う前に壊れかけのPS2で序盤~中盤まで進めてるゲームが2本あるんですが、こいつらをどうしようか決めかねたままずるずるです。
そしてあろうことか、遂に狩りにまで手を出してしまいました。
ウチの新人ハンターアリョーシャさん。
元ネタはもちろんあの人w
というか愛称で響きだけはごまかしてるけど完全に男性名である。
実は貴族の出身で、騎士になるべく男として育てられたと言う隠し設定が(ry
今日も元気に太刀を振り回して
続きで現パロ!
今回はちょっと短めです。
Heartful Life ♯17:きみはともだち
最初に立ち寄ったのは洋服売り場。と言っても、服はおっさんが買ってきてくれていた分で十分だったから、買ったのはちょっと違うもの。
「流石に、何も言ってないのに下着買ってこられたら引くものね……リタも頼みにくいだろうし」
今までお風呂に入っている時間を利用して何とか洗濯と乾燥をこなしていたけど、正直キャナリのこの気遣いは本当にありがたかった。
「まあ、2人とも何とかしないととは思っていたはずだから許してあげてね」
「うん、大丈夫……別に恨んでなんかないわ。……2人には、むしろ感謝してる」
その後、マフラーや手袋といった防寒具や、何故かお菓子(特に甘いものを重点的に)とジュースまで買ってから昼食がてら入ったレストラン。あたしがぼそぼそと答えると、向かいの席に座ったキャナリは「そう、良かった」と笑みを浮かべ、ミルクを入れた食後の紅茶をかき混ぜる。
一方のあたしはクリームソーダ。あの家での食生活に不満があった訳ではないけど、久々に口にした人工的な甘味は、やっぱりおいしかった。
そういえば、誰かの手料理を食べるのもだけど、こうして誰かと外食をするのも久しぶりな気がする。
「どうしたの?」
いつの間にかあたしの手は止まっていて、それに気付いたキャナリが首を傾げて尋ねてきた。
「あ……いや、大したことじゃないの……。ただ……親以外と外食なんて、したことなかったから、ちょっと珍しくて」
多分あたしと同じくらいの年齢の子は、休みの日とかはこんな風に仲良し同士で遊びに行ったり、食事をしたりしてるんだろう。でもそれは、人付き合いに何の関心もなかったあたしとは無縁の時間で、まさか自分がこんな時間を過ごすなんて思ってもみなかった。本当は、親と外食した記憶もはっきりとは覚えてないんだけど。
「そう……。まあ、また甘いものが食べたくなったらシュヴァーンやレイヴンに連れて行ってもらうといいわ。2人とも給料の割にああいう生活だから貯蓄はあるのよ。
……落ち着いたら、友達とも行ってみればいいと思うし」
深いところまで踏み込んではいないけど、あたしのことをそれとなく察してくれているキャナリの言葉。
「……できる、かしら……?」
だから、思わず口からそんな言葉が漏れていた。自信なさそうなあたしの声にキャナリは一度苦笑を見せるけど、すぐにはっきりとした口調で言い切った。
「できるわよ。だって、リタは本当は強い子だって私思うもの。
必ずしも万人に好かれる必要はないわ。でも、リタのことを信頼してくれる人や、リタ自身が信頼できる人は必ず見つかるものよ。そういう人との出会いを逃してはだめ」
それを聞いてあたしの脳裏に浮かんだのは、案の定あの中年達の顔。あの2人はどう考えても保護者だけど、少しだけ人との触れ合いに慣れてきた今は、そういう人を自分から探すのも悪くないかも、と思えてくる。
……ううん、そうじゃなくて、もう既に――
「キャナリも……あたしが信頼できる人……だと、思う」
ふと思ったことだけどちゃんと言っておかないといけないような気がして、あたしは素直にそう口にした。でも面と向かって言うのがすごく恥ずかしくて、思わず俯いてしまうのは相変わらず。
目の前にいる当人への好意を口にするのはここ数日の間でも何回かあったけど、やっぱり慣れない。
「ふふ、ありがとう。ということは、リタと友達になれたと思っていいのかしら?」
優しい笑い声に恐る恐る上目遣いでキャナリを見ると、笑顔のままさらりとそんなことを言われ、あたしの顔がさらに熱くなる。
「と、ともっ……!?」
考え付かなかった。
普通に考えればそう言う呼び方になるだろう。でも、それはあたしにしてみればしばらく縁遠かった存在で、実際に面と向かってそう宣言されると照れくさくてしょうがない。
「リタ……? ひょっとして、嫌だった?」
呆然としているあたしに、キャナリは首を傾げて少し心配そうに尋ねてくる。
「そっ、んなことない……!」
我に帰り、ぶんぶんと首を横に振ってキャナリの問いかけを否定する。
照れ臭くはあるけど、嫌なんかじゃない。むしろあたしは、
「嬉しい……すごく」
そう、嬉しかった、確かに。驚いていてすぐには浮かんでこなかったけれど、今は確かにその感情が生まれていることを認められる。
するとキャナリは安心したように息をつきながらまた微笑んでくれる。
「そう、良かった。
女同士だし、仲良くしましょ。シュヴァーンやレイヴンに頼るのもいいけど、ガールズトークもなかなか楽しいものよ? ……って、私はもうガールなんて年でもないけど」
「ううん、そんなことない。……だって、キャナリ綺麗だし」
「ふふ……ありがとう、嘘でも嬉しいわ」
その笑顔にあたしも何となく安心しながら、それでもまだ照れくさくてグラスの中に残ったアイスクリームを掬って口に運ぶ作業に逃避することにした。
そんなあたしを見てキャナリはさらにくすりと笑ったが、彼女もまた何も言わずにミルクティーを啜り始める。
話している間にアイスはかなり溶けてしまっていたけれど、何だかさっきまでよりずっと美味しく感じられた。
「何か他に欲しいものはあるかしら?」
そろそろ帰ろうか、という雰囲気になってレストランを出ると、キャナリが最後にそう確認してくる。
「………………」
それまでも何度か聞かれていたけれど、ずっとあたしは「特にないわ」を繰り返していた。でも、本当は一つだけ……あの二人にも、キャナリにもちょっと言いづらかったものがあったりする。
だけど女同士で、友達で……今なら、キャナリに頼める、そんな気がした。
「あの……」
「うん?」
何となく、キャナリの服の袖を掴んでみる。……キャナリを、頼ってみる。
「――本が、欲しいの……」
たったそれだけの言葉だったけど、ようやくあたしが口にした〝お願い″……それを聞いたキャナリは、何故か心底嬉しそうに笑っていた。
本、といってもあたし達が今いるのはたかだかショッピングモール内の本屋。あたしがいつも読みふけっているような高度な専門書なんてある訳がなくて、目的はもっと別の本。
「うーん、どれがいいかしら……家庭的なものがいいのよね?」
「うん……」
目の前の棚に並んでいるのは、いわゆる料理本。こないだのシチューから始まったあたしの料理(手伝い)生活は案の定ぎこちなさ全開で、手伝ってるのか邪魔してるのか分からない状況が続いている。
それでもおっさん達は嫌な顔一つせずに色々と教えてくれたりフォローを入れてくれたりして、最終的にはいつもの絶品料理が出来上がる。……だから、余計にあいつらには頼みづらくて。
平積みにされているいかにも頭の悪そうなアイドルが表紙を飾った料理本から、背表紙しか見えておらずイラストも写真もないようなシンプルな表紙のものまで、キャナリは目を走らせているようだった。
「……あ、これなんかどうかしら」
その内の1冊を手に取り、パラパラとめくって見てから彼女はそれをあたしの方に差し出してくる。渡されたのは、料理の写真が3~4種類表紙に載っている料理本としては少し厚いくらいの本。
開いて中を見ると、料理のコツや洋食と和食のレシピがふんだんに載っているもののようだった。
「私もお世話になった本よ。ちょっと本格的すぎるかもしれないけど、あの2人のことだから洋食も和食もそれなりに載ってた方がいいだろうし。
それとその本、カバーがリバーシブルになってて傍から見れば料理本だって分からなくすることもできるの」
「2人の料理の手伝いがしたいから料理の本が欲しい」と頼んだだけだったのにキャナリは色々と汲み取ってくれていた。
(やっぱり、キャナリに頼んでよかった……)
友達とか、本当はまだしっくりきてないけど……でも、キャナリと友達になれたことを改めて嬉しく思った。
当パロのキャナリさんはちゃんと料理できます(笑)
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