神レイリタ小説サイトLa traviata.様よりお題をお借りしました!
Raven*Rita 20 title.
・魔導器
・天才魔導士
・添い寝
・熱帯夜
・忘れられた神殿
・帝国騎士団隊長主席
・大嫌い
・氷刃海
・前夜
・そして、続く未来
・20
・鼓動
・箱庭
・詠唱
・『裏切り者』
・遺されたコンパクト
・触れられない過去
・好き嫌い
・露天風呂の楽しみ方
・カーテンコールを今度こそ
よーし、管理人がんばっちゃうぞー☆
続きでメッセ返信&お題小説です。
>>柚子丸様
美麗な文章だなんてそんな……(照)。
ウチのレイリタでよければいくらでもキュンキュンしてやってください。
イエガーは……そのうち本当に出すので勘弁してください(ぇ
お題:忘れられた神殿
薄暗い地下の部屋で、火花が散った。
漆黒の青年の攻撃を弾くと、後方から刀を加えた隻眼の犬が襲ってくる。
右に身をよじってかわし、犬の刃が空を薙ぐ。そして犬がちょうど真横に来たところでその腹部に蹴りを喰らわせる。
犬は壁に叩きつけられ、「ギャンッ」と悲鳴を上げる。
そのまま動かなくなったのを気配で確認しつつ、今度は上空からの攻撃を受け止める。
美女の体重と重力も味方につけた槍の突きは重く、剣を握る手だけでなく体を支える足にまで痺れが走った。
わずかに体勢を崩した彼の頭部めがけて、槍を軸に体を回転させ彼女の蹴りが飛んでくる。
「甘いッ!!」
だが甲冑を装着した腕でそれを受け止め、無防備な体勢のまま地に着いた彼女に剣を振り下ろす。
咄嗟に体をひねる、常人より遥かに速い彼女の反応。だが刃を避けきることはできず、槍を持つ方の腕から鮮血がほとばしる。
思わず槍から手が離れ、回避行動の反動で彼女は彼からやや距離おおいたところで倒れこんだ。
「ラピード! ジュディス!」
声がする方を振り向くと、体にそぐわぬ大きな得物を振りかぶってこちらに突進してくる少年がいた。その目には涙が溜まっている。
「巻き起こる、春の嵐――」
その少年を向いたまま、詠唱を始める。
少年が繰り出さんとしている技は、ほぼ間違いなく回復技。ならば――
「させるか!」
当然残ったもう一人が援護に来る。
「さよならだ……」
足元から発生した魔術の風が、標的を突き上げる。
「っ!?」
その餌食となったのは、背後にまで迫っていた青年であった。
吹き飛ばされた青年は、数秒を置いて地に落ちる。最低限の受け身はとったようであるが、しばらく復帰は不可能。
「受けよ、白銀の抱擁――インヴェルノ!」
そして連携させた魔術により、先ほどの少年も氷結の中に閉じ込め、砕く。
残るは、一人――
「熱くたぎりし炎――」
後方で気を高めていた少女の詠唱が始まった。
「聖なる獣となり不道を喰らい尽くせ――」
それを確認すると、彼は少女に向かって駆け出す。
その距離、およそ5m。少女の魔術が放たれるが早いか、彼の剣が届くが早いか……。
――間に合え……!!――
「フレイムドラゴン!!」
少女の詠唱が完成した。
彼女の前に浮かび上がった魔方陣から、竜の形を宿した炎が轟音とともに飛び出し、彼に襲いかかる。
かわせない距離でも、スピードでもない。
しかし――
「…………っ!?」
炎の口腔が目前にまで迫ってなおこちらへの直進をやめようとしない彼に、少女の顔が歪む。
――炎は、彼の右肩を焼き、その熱風で彼を吹き飛ばした。
再び生まれる、少女との距離。
「はぁ……はぁ……」
荒い息をしているのは、少女の方だ。
明らかにおびえた蒼い顔で、よく見ると身体も震えている。
そんな少女の様子を見て、彼は内心で苦笑する。
(……虫のよすぎる話だったか……)
――どうせなら君の手で……なんて――
あの魔術は、確かに彼に直撃する軌跡を辿っていた。
だが、直前でそれが逸れた――少女が、わざと逸らしたのだ。
流石に、酷なことなのかもしれない。
年端も行かぬ少女に、裏切り者とはいえ仲間であった自分を殺めさせるのは。
気がつくと、あの青年が立ち上がっていた。
未だ闘気をまとい、厳しい目でこちらを睨みつけてきている。
(やはり……君に頼むしかないか、ユーリ・ローウェル)
緩んでいた左手に力を込め、剣を握りなおす。
焼かれた右肩の痛みは、生の証拠。だが、煩わしいそれも……もうじきに終わる。終わらせる。
(こんな浅はかな願いに付き合わされる君も、損な役回りだな……)
そして彼は、地を蹴った――
単に場面的な意味になってしまった。
戦闘書くのって難しいよね!!
ぽちっとお願いしますm(_ _)m