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今日も幸せレイリタ日和。
2025/04/21 (Mon)10:08
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2011/08/30 (Tue)23:59

お題更新!

暑さで頭沸いた管理人が初めて死ネタ・ヤンデレに挑戦したよ!!

以下の注意文をよく読んでから本文に進んでね☆



Raven*Rita 20 title.(
La traviata.様提供)
魔導器
天才魔導士
添い寝
熱帯夜
忘れられた神殿
・帝国騎士団隊長首席
大嫌い
・氷刃海
前夜
そして、続く未来
・20
鼓動
箱庭
詠唱
『裏切り者』
・遺されたコンパクト
・触れられない過去
・好き嫌い
・露天風呂の楽しみ方
カーテンコールを今度こそ



※注意

・多分EDから3年後くらい

・おっさんが死んでリタっちがヤンデレ化してしまったようです

・血が出たりします

・死にます

・救い? 何それおいしいの?

・読み返してみると何だかただの俺得っぽい




以上が了承できた方はどうぞお進みください。

天才魔導士


「リタっちは、おっさんと同じところには来れんでしょ……?」
 心臓魔導器がいよいよ限界を迎えたおっさんは、青白く、やつれた顔で、力ない笑みをあたしに向けた。
「だから、おっさんのことはきれいさっぱり忘れてちょうだい?
 もう2度と逢えない男のこと引きずってたって、リタっちは幸せになれないから」
 いつものように髪を撫でてくれるその手は、少し前のそれよりずっと冷たい。

 忘れさせたいんなら、そんな優しい顔しないでよ……優しいこと、しないでよ……。

 そう訴えようとしたのに、次から次へと溢れてくる涙と嗚咽が邪魔をして、ベッドに横たわるおっさんにしがみつくことしかできなかった。

 

「おっさんと……同じところ……」
 本人の希望で〝RAVEN″と名前の刻まれた墓碑に、まだ新しい盛り土。その隣でお供えのキルタンサスを握りしめたまま服が汚れるのも気にせず横たわっていたあたしは、ずっとあの時の会話を脳内で繰り返していた。
 霊とか魂とか、あの世とかこの世とか、あたしはそんなことこれっぽっちも信じていない。
 でももし、それが本当にあるのだとしたら……本当にそこに、おっさんがいるのだとしたら……。
「同じところに行ったら、今度こそあたしを受け止めてくれる?」
 空っぽになったおっさんの肉体が埋まった盛り土を撫で、墓碑を見上げる。当然のことながら、答えは何処からも帰ってこない。
 ……でも、1度それを思いついてしまったあたしにとって、そんなことはもはや些細なことだった。
「そうよ、あたしも同じところに行けばいいんだわ」
 おっさんはああ言ったけど、やっぱりあたしはおっさんのいない世界に用はない。でもおっさんは、同じところに来られないんだからこの世界で幸せになれといった。なら、同じところに行けるようにすればいいだけなんだ。
(やっぱり、あたし天才だ……)
 むくりと起き上がったあたしの顔に浮かんでいた笑みは、傍から見れば多分歪んでいただろう。でもそれが最高のアイデアだと思ったあたしの心はいつになく満たされていて、そんな客観的なことはどうでもよかった。
「くく……はははは……」
 髪や服に土をつけたまま膝立ちになり、いつの間にかしおれてしまったキルタンサスを胸に抱き、おっさんの墓碑に額を寄せる。

「あははははははははははははははははははははははははははははははは」

 待っててね、おっさん。あたしもそっちに行くから。

 

 断末魔の叫びを上げた老人が、鮮血を散らしながら床に沈んでいく。
 それを最後まで見届けることなく、あたしは身を翻し、顔についた返り血を拭いながらもはや誰もいないその屋敷を出る。

 おっさんと同じところに行く為に、あたしはおっさんと同じことをすることにした。
 あまり自分のことを語りたがらなかったおっさんが、それでもぽつりぽつりと話してくれた〝過去の罪″を、あたしは覚えている限り再現している。
 今殺したのは評議会の重鎮の1人。新たな騎士団長フレンにより騎士団が再編され、平民・貴族のより平等な世界を実現しつつある世界において、未だ評議会の権威を主張し、そして、ギルドと騎士団の橋渡しに奔走していたおっさんを事あるごとにけなしていた老害だ。

 右手のナイフからは血が滴っている。それを近くの茂みに投げ捨て、あたしは帰路を急いだ。どうせ、何人もの貴族を屠ってきたあの凶器はもう用済みだ。
 ひとまず評議会の暗殺はこれで終了。あとは、舞台を整えるだけ。

 

「リタ! どうしてです!?」

 柄の悪いギルドの男に動きを封じられたエステルが、必死な顔であたしを見てくる。
 おっさんがいなくなった今、従来の武醒魔導器なしで術が使えるのはクリティア族を除いてエステルだけ。満月の子という特異な存在であるエステルの話をすれば、例えこの子が副帝であろうが食いついてくる輩はいる。
 その中でも最も腕っぷしも頭も弱そうなギルドに、親友という立場を使って彼女を引き渡した。……もちろん、ユーリ達が助けに来ることを見越して。
 おっさんが死んでから、ずっとあたしのことを気にかけてくれて、しょっちゅう様子を見に来てくれていたこの子を、こいつらがどういう風に扱うかを考えると申し訳ない気持ちになるけど、少なくとも最悪な事態にはならないだろう。どちらにせよ、そう時間がかからないうちにユーリ達が助けに行く――そういう手筈にしている。
「リタ!!」
 エステルが呼んでいる。どうしてだろう、すぐ目の前なのに、何だか遠い。

「あたしも、おっさんとおなじところにいくの」

 その目的を口にするだけで、あたしの頬は自然と緩む。込み上げそうになる笑いを抑え、あたしは続ける。
「ごめんね、エステル。でも、あたしはおっさんと離れたくないの。だから、おっさんと同じことをして、同じところに行くことにしたの」
 ギルドの男は「何言ってんだコイツ?」と言わんばかりの胡散臭そうな顔。でも、エステルはなぜかとても悲しそうな顔をして、途端に抵抗を止めた。
「リタ……」
「ね? いい考えでしょ? しかももうすぐ……もうすぐなの。あたしはもうすぐ、おっさんと同じところに行ける。今度こそ、おっさんとずっと一緒に――」
「リタ!」
 あたしの言葉を遮って、エステルは突然男の拘束を振り払い、あたしを抱きしめてきた。
 顔を彼女の肩に押し付けるようにして、苦しいくらいにきつく抱きしめられる。一瞬だけおっさんに抱きしめられた時のことを思い出すけど、これはおっさんじゃない、エステルだ。温もりも、匂いも、感触も、全然違う。
「リタ……リタ……! ごめんなさい、力になれなくて……!!」
 あれ? どうしてエステルはこんなに泣いてるの? 謝っているの?

 あたしは、こんなにしあわせなのに。

 男が慌ててエステルをあたしから引き離す。エステルはもう抵抗しない。でも、連れて行かれながら何度も何度も涙を湛えた目であたしの方を振り向いてきていた。
 ……そういえば、離れた時に見えたエステルの服の肩口が妙に濡れていたような気がするけど、あれは一体何だったんだろう。

 

 エステルを誘拐した犯人を装って、バクティオン神殿にユーリ達を呼び出した。本当は、あの時シュヴァーンと戦った部屋を使いたかったけれど、完全に崩壊してしまっていた為その手前の部屋を使うことにした。
 もう1人のおっさんが眠っているあの部屋の入り口から溢れている瓦礫に腰かけ、だんだんと近づいてくる足音に耳をすませる。
 やがて反響が小さくなり、生の足音がはっきりと聞こえ出して――この部屋に入り、止まる。
 薄暗い闇の中から現れたのは、かつてのあたしの仲間達。凛々の明星の3人と1匹にパティ、そして騎士団長フレン。

「リタ……」

 突然音信不通になったあたしが裏で糸を引いていたことに、薄々感づいていたんだろう。あたしを見て、名を呼んだユーリの表情に驚愕の色は含まれていなかった。他のみんなもそうだ、あるのはただ、抑えきれない怒りと……それ以上の悲しみ。
「エステリーゼ様は……?」
「見てのとおり、ここにはいないわ。あの子を欲しがってたギルドに引き渡したから」
 フレンの問いに対するあたしの答えに、みんなの顔が青ざめる。
「リタ……何で……」
「どうしてじゃ! どうしてこんなことを……!!」
 震える声でそう尋ねてきたのは、カロルとパティ。

「あたしも、おっさんとオナジトコロにいくの」

 その言葉を口にするのは、もう何度目になるだろう。おっさんのお墓の前で、殺してきた貴族達の前で、エステルの前で、何度も何度も言ってきたような気がする。
 ――その度に感じるのは、確かな恍惚。
「だってそうすれば、あたしはずっとおっさんと一緒に居られるんだもの」
 くつくつと喉の奥が鳴るのを、もう抑えられない。だって、もうすぐ、もうすぐその時が訪れるんだから。

「エステルを連れて行ったギルドは、オルニオンの外れにアジトを持ってる。エステルもそこにいる。
 ……でも、あたしを倒さない限り、みんなはここから出られない」

 轟音。あたしの宣言に合わせて、部屋の入口が崩れる。
「リタ、あなた……!」
 ジュディスが珍しく動揺した様子で声を上げるけど、正直そんなことはもうどうでも良かった。来るべき最期に、心を囚われてしまっていたから。
 副帝を故意に誘拐し、悪意ある連中に引き渡したんだからこの場で騎士団長に身柄を任せても本来なら死罪で然るべき。でも、当の副帝本人がそれを望まないだろうし、この騎士団長だってそういった点では当てにならない。現に、ユーリやおっさんは過去の罪が不問になっている訳だし。

「さあみんな、あたしと勝負よ」

 だからここで、あたしは死ぬことにした。

 

 この日この時の為だけに密かに完成させていた精霊魔術を、容赦なく放つ。みんなが手加減なんて出来ないように。
 魔導器を捨て、術技が使えなくなった皆はあたしの魔術に阻まれてなかなか攻撃に転じられない。唯一変わらず術技が使えるはずのジュディスも、本気を出しかねているようだった。
 おっさんに剣を向けられた時とは違うその様子に、気付かないふりをしていた疑念が事実なんだと悟った――でも、あたしはそれを現実として受け止めるだけで、彼女の気持ちなんてお構いなしだった。

「――――――!!」

 誰かが、何か叫んでいるけど、魔術の音とあたし自身の笑い声にかき消されて、言葉としてあたしの耳が認知することは出来ない。
 あたしの放った火の魔術が壁の一部を抉り、爆煙と砂埃が一瞬視界を覆った。
「リタァ!」
 刹那、その向こう側からユーリが飛び込んできた。
「かっ……!!」
 勢いのまま彼が繰り出した拳があたしの腹を捕え、受け身も取れないままあたしは後方へ吹き飛ばされて壁に身体を打ち付ける。
 痛みと息苦しさに思わず意識を飛ばしそうになるけど、何とか堪える。ここで気を失ってしまったら、またおっさんが遠ざかってしまう。
「もう止めようぜ、リタ……こんなことしたって、だれも救われねぇ……!」
 ユーリの声が、足音と共に近づいてくる。

(そんなことない、だって、あたしはしあわせだもの)

 言い返そうとした言葉は、詰まったままの息によって阻まれ、喉の奥の破裂音に留まる。
 霞んだ視界に、ユーリの足が映る。その向こうには、こちらの様子を窺っているみんなの影。
 魔術を放とうにも、どうやら魔力を使いきってしまったらしい。術式を構築しようとすると霧散してしまった。

 まだよ、こんなおわり、みとめない。

 だが腰に手をやると、装備してきたはずの鞭がない。どうやら先程の衝撃でどこかに飛んでしまったようだ。こうなったら石でも何でもいい、何か武器になりそうなものを手で探る。
 手を伸ばした先には、細長い何かがあった。更に探ってみると、それは崩れた最深部の瓦礫の中から飛び出しているようだ。
 自然物とは違う明らかに異様なそれの方を向き、目を凝らしてその正体を確かめる。
「……え」
 それは、剣の柄だった。紅く、シンプルだけど格式の感じられる剣の柄――あたしは、それに見覚えがあった。

(おっさんの、剣……?)

 そう、シュヴァーンとしてあたし達とここで対峙した時におっさんが持っていた、あの剣だった。シュヴァーンと共に埋もれたままになっていた筈のその剣は、今まで気付かなかったことが不思議なくらい瓦礫の中で異様な存在感を放っていた。
「な……!」
 ユーリもそれに気付いたのか、あたしに歩み寄る動きを止め言葉を詰まらせていた。
 その間にあたしは柄を握ったまま体を起こし、剣を引き抜こうと腕に力を込める。

 剣は思いの外するりと瓦礫の隙間から抜け、紅い独特の刀身が現れた。

 紅はあたしの好きな色、あの時は気付かなかったけれどそれはとてもとてもキレイな色をしていた。
「あは……ははは、あはははははははははははははは!」
 不意に手元へやってきたおっさんの遺品に、思わずあたしの口からまた笑いが漏れだす。かつてのあたしなら絶対に考えなかった、運命の巡り合わせを感じていた。
 同時に、おっさんとの思い出がいくつも鮮明に脳裏を過っていき、ぼろぼろと涙が零れる。
 笑いながら、泣きながら、あたしは立ち上がる。おっさんの剣は他の剣に比べるとすごく軽いことが分かったけど、剣を持ち慣れていないあたしはそれでもおっさんみたいに片手で扱うことはできそうになかった。
 両手で柄を握り、腕をぶら下げたまま今度はあたしの方からユーリへと歩み寄り始めると、床を引きずられる剣の刃先がガリガリと悲鳴を上げる。

「ほら、何してんの、ユーリ……あたしはまだ戦えるわよ……?」

 にたり、とあたしは笑う。ユーリの顔に、みんなの顔に、戦慄が走る。
 剣の悲鳴がせわしなくなる、あたしが駆け出したからだ。
 信じられないものを見るようなユーリの顔が近づき、あたしは剣を振りかぶった。かわされるか弾かれるかは承知の上、だけどそんなことはどうでもいい。
 目前になったユーリに向かって、自分でも分かるくらい隙だらけのまま剣を振り下ろす。

 乾いた音が響く。

 案の定ユーリはあたしの攻撃をかわしていて、剣は床に叩きつけられ――同時に、あたしの首筋を何かが切り裂いていった。
「っぁ……!?」
 途端、口内に溢れ出してきた熱いものに声を奪われる。その熱いものは切り裂かれた首からも噴き出していて、ここまで来るのに何度も見てきた血だと理解するのに、何故かとても時間がかかったように思う。
 ふと目の前にある剣を見ると、切先から十数センチ程がなくなっていた。ああ、と思った瞬間あたしの身体から力が抜け、剣が床に落ちる音と、誰かの悲鳴が部屋に響く。
 床を紅く汚していた他ならぬあたし自身の血だまりが、跳ねる。当然首からの出血はまだ止まっていないから、更に血だまりは広がっていく。
 尋常じゃない痛みに襲われ、それ以上に多量の出血と気管の損傷で息苦しくて堪らなかった。切り裂かれた喉からひゅうひゅうと空気が漏れる音が聞こえてくる……もう、喋ることもできないだろう。
 確かな苦痛の中で、それでもあたしは幸福を感じていた。

(おっさんが……むかえにきてくれたんだ……)

 おっさんの剣が突然出てきて、その切先があたしの首筋を切り裂いて……やっと、おっさんと一緒にいることを許されたんだと思った。
 最期にみんなに謝ろうと思っていたのに、あたしに駆け寄ってくるみんなの悲鳴と泣き顔を無視して、今までにない程穏やかな気持ちで目を閉じた。

 痛みと苦しみがだんだんと遠ざかっていく。その代わり近づいてくるのは、懐かしい匂い。

 誰かに抱きあげられたような気がするけど、それが事切れる直前のあたしの身体を抱きしめた誰かの腕なのか、あたしを迎えにきたおっさんの腕なのか、判断することは出来なかった。

 

 寄り添うように並んでいる、まだ新しい2つの墓。片方には〝RAVEN″の文字、そしてもう片方には〝RITA MORDIO″の文字が刻まれている。傍から見れば帝国への立派な反逆行為を行った彼女の葬儀は開いてやれなかったものの、墓だけは何とかレイヴンの隣に建ててやれた。
 その前に立って、カロルがぽつりと呟いた。
「リタ、ちゃんとレイヴンに会えたのかな……」
「……さあ、どうかしら? そうあって欲しいとは思うけれど」
 口でそう答えてから、そうでないと2人とも救われないもの、と胸中で付け加えてジュディスは亡き異母妹を思う。
 レイヴンが死んでからずっと抜け殻のようだった彼女が、ある日を境に急に明るくなった。その時に彼女の考えに気付いてやれていたら、今もまだこの世で笑ってくれていただろうか。……いや、どちらにせよ彼女の本当の笑顔はもう戻ってきていなかったのかもしれない。
 あの事件の後、彼女の家を調べてみると見つかったのは書き殴られた犯行計画と、彼女が暗殺してきた貴族たちに関する資料、完成した精霊魔術を他の魔導士に後継できるようにまとめた研究資料……そして、仲間たちに宛てられた謝罪文と遺書。
 行動は狂気じみていたけれど、精霊魔術を完成させていたあたりからも天才少女としての頭脳と知性は平常通り活用されていて、それがむしろ彼女の想いの強さを実感させるものとなった。

 あれから、エステルは無事救出されたものの、リタの死を告げるとその場に泣き崩れ、そのまましばらく塞ぎこんでしまっていた。ずっとユーリが傍にいてやったこともあり、今はだんだんとかつての明るさを取り戻してはいるが、まだ1人で泣いていることも多いと、先日会った時にユーリが話していた。
 他の仲間達とて、あの一件が癒えない傷になっているのは同じだった。かけがえのない仲間を短期間で2人も失った悲しみは、そうそう消えてくれるものではない。

 隣で、カロルが鼻をすすっている音が聞こえる。彼の肩に手を乗せながら、「帰りましょ、今日は冷えるわ」と声をかけると、黙ったまま彼は頷いた。
 ふと、成長期に入って背が伸び始めたカロルに身長を抜かされそうだと、危機感を募らせていたリタの姿を思い出した。おそらく今の彼の身長はもうリタを抜いていて、あんなことがなければ地団太を踏んで悔しがる彼女の姿が合ったのかもしれない。
(でも、あなたはもう大きくならないのね……)
 土の下に眠る天才少女は、大人とも子供ともつかぬ判断をその頭脳で下して、成長を止めてしまったのだ。
(おじさまもひどい人ね、あの娘に後を追わせるなんて)
 あの時抱きしめたリタは笑っていた。自分の血にまみれながら、生気を失いつつある顔に微笑を浮かべていた。
 まだ成人も迎えていなかった少女にあんな表情で死を迎えさせてしまった張本人がどう思っているかは知らないが、もし幸せにしてやれていないのならそれこそ地獄の果てまで追い詰めて、串刺しにしてやらない時が済まないくらいだ。……どちらにせよ、自分は彼を一生許さないだろう。

 そんな彼女の心境をなだめるように、冬先にしては少し暖かい風が吹く。
 それを真正面から受け止めながら、ジュディスはカロルを連れて街の中へと戻っていく。

 誰もいなくなった2つの墓の前では、供えられたばかりのキルタンサスが歌うように揺れていた。















一番書きたかったもの→シュ(ryの剣持って狂ったように笑うリタっち。

すみませんすごく楽しかったです。

久しぶりの更新がこんなんで申し訳ないです><
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